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介護・治療食用の食材を一般に小売り-金沢で全国初の社団法人が発足

「TsuBameyA」で販売する介護・治療食用の食材

「TsuBameyA」で販売する介護・治療食用の食材

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 高齢者や病中病後の患者など、食事制限を抱える人に対応する食材を小売りで一般消費者に提供し、介護や療養生活を続ける人をサポートする社団法人「ワールドトラストメディカル」が2月、金沢で設立された。 

介護・治療食用の食材を一般に小売りする「TsuBameyA」の店内の様子

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 全国で初となる同法人は、「介護される人に楽しい食事の提供」「介護する人の負担を少なくする食事の提案」「介護に関する施設等に正しく必要な情報提供を行うこと」を目的に設立。介護・治療食を扱う全国のメーカー約300社の協力を得て運営する。

 高齢化が進む現代社会で在宅介護が増える中、病院食で使用される食材を一般消費者が購入することが困難な状況を受け、昨年9月にオープンしたレストラン「TsuBameyA(ツバメヤ)」(金沢市幸町、TEL 076-205-7002)がアンテナショップとして機能する。同店ではこれらの食材や調味料を小売りするほか、各人の制限に応じた特別メニュー「TsuBameyA御膳」を用意し、食事制限を抱える人が家族そろって食事ができる場を提供してきた。在宅介護者支援のための調理実習を開催するなどの活動を通し、地元婦人会のメンバーや栄養士、病院関係者、介護関係者、在宅介護をする人などが多く訪れた。金沢市の「金沢健康づくりサポート店」の認定も受けている。

 同法人が今後、全国的に展開する活動として掲げるのは、これらの食材を使った食事療法を分かりやすく説明するフリーペーパーの配布、同食材を購入できるアンテナショップの開設、無料調理実習、介護施設や病院で働く人に対する商品知識や使用方法の提供、宿泊施設に対する調理法やレシピの提供など。このほか、月刊誌の発行により一般消費者の声や要望をメーカーにフィードバックし新たな商品開発を提案する試みも行う。同法人認定の資格「在宅介護食コンダクター」を設ける計画もあるという。

 金沢市内のホテルで3月31日に発足式を行い本格的に始動する同法人。栄養士の資格を持つ理事長の福村美紀子さんは、病院食を扱う会社の営業を担当した経験を生かし、「現場の病院栄養士でも介護食材の知識はまだ薄い。介護や治療が必要な生活を送る人たちの声を受け止め、調理方法や食材の使い方を発信していきたい」と今後の活動に意欲を見せる。

 「TsuBameyA」の営業時間は、月曜~金曜=7時30分~11時・12時~15時・18時~23時(金曜は翌3時まで)、土曜=12時~15時・18時~翌3時。日曜定休。調理実習(予約制)は毎週日曜に行う。

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