金沢・竪町ストリートで9月から10月にかけて、金沢美術工芸大学と金沢工業大学、金沢大学の学生によるイベントが連続して行われる。9月6日には第1弾として、空き店舗を利用して期間限定で開設された「竪町アートスペース」で美大大学院修士課程彫刻専攻の学生有志で作るグループ「KAMS(カムズ)」の作品展が始まった。
竪町アートスペースで開催中の「KAMS DISCUSSION」
作品展の名称は「KAMS DISCUSSION(カムズ・ディスカッション)」。参加メンバー7人が2~3人ずつに分かれ、週替わりで作品を発表する。第1週は2年の馬医大輔さんと1年の柄澤健介さんが担当した。
馬医さんの作品は、「いつの日かアフリカの砂漠など、何もないところに出掛けたら」と想定し、黄色のナイロンテープで生活に役立つものを作った「いつかのためのテープワーク」シリーズ。幅約1メートル、奥行き約50センチ、高さ約70センチの巨大パンツや鉢植え、屋根など6点を並べた。柄澤さんは沢登りの際に見た滝の美しさを木彫りで再現した「waterfall(ウォーターフォール)」、湖の底を想像し、表現した「lake mountain(レイク・マウンテン)」など4点を展示している。
馬医さんは「竪町でデートをしている人や店を経営している人はおしゃれな格好をして、おしゃれなものを食べて、アートを吸収したいという意識が高い。そうした場所で展示できるのは幸せなこと」とほほ笑む。
開場時間は11時~19時。2人の作品展示は12日までで、11日15時からは来場者と2人が作品について語り合う「ディスカッション会」を開く。第2週は15日~19日、第3週は22日~28日。入場無料。
この後、金沢工業大学のイベント「タテマチアート」(10月7日~16日)、金沢大学がサークル活動などを紹介する「ストリートキャンパス inタテマチ」(同16日)が行われる。
竪町商店街振興組合の池田広喜販促委員長は「昨年、工大生がタテマチアートを開催したのを見て、学生や若者が街でアクションを起こすという流れが定着したのでは。感度の高いお客さんや店が多いので、やりがいのある場所と捉えてもらっていると思う」と、学生イベントの開催を歓迎している。