白山の麓、白山市市原(吉野谷地区)にある衣料品店「瀬川屋」が地域の観光資源をデザイン化した新商品として「8936(はくさんろく)テヌグイ」を開発し、7月30日から販売を開始した。
白山ろくの名所や名物をデザインした「8936(はくさんろく)テヌグイ」
手拭いは、同店の瀬川亮太さんが地域の新たな土産品を開発しようと、白山商工会を通じて県の企業ドック制度と中小企業応援センターいしかわの専門家派遣事業を活用して開発した。今回は第1弾として、赤レンガ造りの水力発電所「福岡第一発電所」、手取峡谷を代表する名所「綿ヶ滝」、石川と岐阜を結ぶドライブコース「白山スーパー林道」、ゲンジボタルの生息地として知られる丸山公園の「ホタル」、白峰地区にある日本最古のジュラ紀の地層壁をイメージした「恐竜」の5種類を製作。デザインは地元のグラフィックデザイナーが協力した。
今後も地域のさまざまな名所、名物を手拭いに表現するとともに、地元の山菜や間伐材を用いた草木染のバリエーションも増やしていく予定。名前通り8936種類の開発を目指すという瀬川さんは「白山麓には、四季折々の自然、そこで育まれる農産物、温泉、歴史など、さまざまな地域資源があり、8936種類は夢ではない」と意気込む。
瀬川屋は学校の制服から作業着、普段着まで幅広く扱う地域の小さな衣料品店。地域になくてはならない店だが、過疎化の影響も深刻だ。瀬川さんはその3代目で、金沢でのサラリーマン生活を経て地元に戻り、家業を手伝うようになった。「白山麓にも元気な若い世代がおり、つながりを持ちながらそれぞれの分野で頑張っていることも知ってほしい」とも。
手拭いの価格は1,050円。現在は、同店と道の駅瀬女でのみ販売しているが、今後は地域の旅館や土産品店などでも順次販売する予定。問い合わせは瀬川屋(TEL 076-255-5102)まで。