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アートの力で病院を豊かに、医療の力でアートをサポート。「医美同源」に取り組む「金沢西病院」

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提供:金沢西病院 制作:金沢経済新聞編集部

「医療」と「アート」。一見すると互いに遠い存在にも見える両者を「人間が生きる源=同源」として、融合に積極的に取り組む県内の病院がある。金沢市駅西本町にある「医療法人社団博友会 金沢西病院」だ。同院の壁面には、地元アーティストによる陶板や壁画など、建築と一体となった作品が院内の至る所に溶け込んでいる。同院創設者である菊地誠氏が主体となり「一般社団法人菊地誠22世紀医美支援事業団」を創設。「医美同源デザインアワード」「医美同源シンポジウム」を毎年開催し、その活動は今年で10年目を迎える。

今回は亡き菊地誠氏の後を継ぎ、金沢西病院の現理事長を務める菊地勤氏に「医美同源」へ込める思い、そして今後の展望などを聞いた。

「医療法人社団博友会 金沢西病院」菊地勤理事長

建築の相談から生まれた「医美同源」のアイディア

ーーまずは「金沢西病院」として、院内空間にアートを取り入れ始めたきっかけをお聞かせください。

菊地:私たちは166床を有する、地元(金沢駅西エリア)では一番大きな総合病院として、地域の方々と共に歩んできました。今もこうして病院を運営できているのも、一重に皆さまに支持いただいたおかげだと思っています。

菊地:その中で、病院施設は増築を繰り返してきました。現在の姿となる「第三病棟」の増築を考えているときに、兼ねて親交のあった「浦建築研究所」代表の浦淳さんに相談しました。今や「病院も選ばれる時代」ですから、ただ増築をするだけでなく、何か新たな柱となるコンセプトが欲しいと。

その中で工芸作家とコラボレーションした「工芸壁」の提案がありました。地元の文化芸術の振興に尽力されている浦さんらしいご提案です。増築に当たっては、手術室を除く、全てのフロアに工芸作家さんに特別に制作いただいた壁画が入っています。

陶芸作家・竹村友里さんが壁面を担当したエリア

壁面では生命のサイクルが表現されている

「作品を外せば、病院も壊れる」 そのくらい“一体”のものとして。

菊地:「病院に高額な絵画作品が飾られている」という光景は特に珍しくもありませんが、「作品が壁の一部になっている」というケースはなかなかないでしょう。もはや建築の一部になってしまっていて、作品だけを取り外すということはできない。「作品を外したら病院も壊れる」、そのくらい「医療と美術は一体なのだ」という「医美同源」のテーマを体現するような造りになっていると、振り返ってみて感じています。

ーー患者さんをはじめ、利用者からの反応はいかがでしょうか?

菊地:皆さま、とても気に入ってくださっています。「院内がきれいで明るい」「何となく過ごしやすい」--そうした声をいくつも頂いています。お子さまが壁によじ登ろうとする光景も目にします(笑)。

「元気になろう」という方向へ自然と気持ちが向くような、そんな空間にしたいと思っていたので、うれしいですね。もちろんそこには「アートの力」だけでなく、浦建築研究所さんが提案くださった「アートを生かす建築の力」が作用していることは大前提としてあるわけですが…。

「ジョン・走る」 戸出雅彦/1階 ロビー

「色 織」 斎藤まゆ/4階 渡り廊下

「カーテンはあけぼの。How pretty!」 田辺京子/3階 談話室

「空の下に広がるもの」 羽場 文彦/5階 渡り廊下

石川で働く医者として、文化芸術への支援は“あたりまえ”

ーー「医美同源デザインアワード」「医美同源シンポジウム」を現在運営している「一般社団法人 菊地誠22世紀医美支援事業団」設立の経緯を教えてください。

菊地:先ほどお話したように、建築の一部としてアートを取り入れる第三病棟を建設した後、これをもっと拡げ「入院生活をより豊かに、少しでも居心地良くするためにアートの知恵を借りられないか」との先代の思いに、親しい皆さんが集ってくださったのがきっかけです。これを社団化し、社会にも還元できるよう組織的なアクションにつなげていきたかった。

今お話している「菊地誠 開院記念会議室」は先代が亡くなった後に皆が集う場所として改修しました。先代は伝統文化や芸術への造詣が深く、亡くなるまで能を嗜(たしな)んでいた文化人でした。そのため設計コンセプトとして、「能舞台」を現代的なデザインに落としこむことを浦建築研究所さんから提案いただきました。だからでしょうか、肖像画や写真は一枚も飾られていないのですが、ここに座った時、今でも先代の存在を自然と感じることができるのです。

「菊地誠 開院記念会議室」。正面の陶板は「松」のモチーフからデザイン。

菊地:この頃集まった、代表の浦さんや秋元雄史さん、大学教授の方々などのメンバーで「一般社団法人 菊地誠22世紀医美支援事業団」が創設されました。医療もアートも「人間が生きる源」という意味で「同源」です。我々は医者を稼業としていますが、この石川県金沢市で働く医者である以上、その振興に貢献することは「常識である」という思いの下でスタートしています。

これだけ工芸やアートが身近に、そして暮らしの中に溶け込んでいる地域はなかなかありません。そんな街で働かせていただいている医者として、芸術を支援することは責務であり、病院としての一つの存在価値であるという認識で、私たちはいます。

10周年を迎えた「医美同源デザインアワード」

ーー「一般社団法人 菊地誠22世紀医美支援事業団」の活動について、改めてお聞かせください。

菊地:やはり「病院」は病気になってから来るところですから、どうしても「怖さ」があるというか、あまり良いイメージはないと思います。けれども私たちは、外来から入院時まで、「病院で過ごす全ての時間」をデザインできないものかと考えました。カトラリーや食器一つとっても「本当にこの形でいいのか」を問うてみる。

その一つの形として、全国からデザインのアイデアを募集する「医美同源デザインアワード」を主催することにしました。医療へのクリエーティブなアイデアを皆さまから募集しながら、優秀作には賞金や活動費を贈って作り手の方々の応援もしていくというコンセプトです。早いものでデザインアワードも今年で10年目を迎え、今では応募作品も百数十点に上るまでに増えました。学生だけでなく、企業にお勤めの方、フリーランスのデザイナーまで幅広い層から応募いただいています。

継続の中で生まれたデザインの具現化

菊地:昨年は9年目にして初めてデザインをプロダクト化するところまでこぎ着けました。それは診察着だったのですが、大賞を取った方と現場のスタッフが意見交換を交わし、一年以上かけて試作を何度も重ね完成したものです。デザイン案の段階で大変素晴らしいものでしたが、やはり医療の現場で求められる機能性や耐久性、清潔さといった細やかな課題があります。現場レベルでのさまざまな要望もクリアしながら具現化していただきました。

この機会が、クリエーターだけでなく、我々医療スタッフにとっても良い機会になったように感じています。普段は医者・看護師・介護士といった、限られた職種だけでコミュニケーションを取っている中で、美術やアートを志す若い方々のアイデアはとても新鮮でしたし、こうした出会いがあればアートと医療の一体化はより促進されていくだろうと感じました。

「医美同源シンポジウム」での様子。スライドが大賞作品の診察着。

いつかは「病院」をも飛び出して。
芸術を志す人を支援するシステムを。

ーー10年目を迎えて、今後の展望を教えてください。

菊地:まず大前提として「続けていくこと」です。最後の一人になっても、病院がある限りはこの活動を続けていきたいと思っています。何を成すにも、継続がなければ始まりませんから。

今後掲げている大きなテーマとしては、医療や病院に関わるものだけでなく「アートを志す人を支援するシステム」そのものを作っていけないかとも考えています。つまり、もはや病院すらも飛び出してくという。そのためにもまずは、私たちの本業である医療サービスの質をしっかり上げて、皆さまに頼りにされる病院であらねばなりません。まさにここも「同源」です。同じ思いと責任感を持ってさらに発展させていきたいです。

(取材:2024年8月)

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