石川の伝統工芸で「現代の印ろう」-最優秀賞に美大生作品、商品化へ

試作された入賞作品は順次、商品化される

試作された入賞作品は順次、商品化される

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 石川県中小企業団体中央会(金沢市鞍月2)が主催する「現代の印籠(ろう)シリーズ開発プロジェクト」の最優秀賞に金沢美術工芸大製品デザイン専攻2年、筆谷直揮さんの作品「KOHAKU(こはく)」が選ばれ、3月25日、石川県地場産業振興センター(鞍月2)で表彰式が行われた。

入賞作品を手にする美大生

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 伝統工芸の技術を生かして日常、気軽に持ち運びできる携帯型小物入れ「現代の印籠」を開発し、販売することを目的にする同プロジェクト。同中央会が同大に協力を求め、製品デザイン専攻と工芸科の学生23人から45点の応募があった。

 最優秀賞に選ばれた「KOHAKU」は、アルミニウムの削り出しを透明の樹脂で包んだ縦5センチ、横4センチ、奥行き1.5センチの作品。ふたを開けると、漆の上に蒔絵(まきえ)で描いたアリの絵が現れる。筆谷さんは「かばんにつけて、強心剤やメモリースティックを入れてほしい」と話す。

 優秀賞には、荒尾知世さんの「折り紙」、川口玲さんの「KINOMI(木の実)」、松岡美紗さんの「加賀ゆびぬき」、山田佳織さんの「白木」が選ばれた。それぞれ、蒔絵や漆塗り、加賀ゆびぬきなどの伝統工芸の技法が使われている。

 最優秀賞をはじめとする入賞作品5点は、金沢・加賀蒔絵振興事業協同組合が6月以降、順次商品化し、「石川ブランド商品」として売り出す。ブランド名を「KANAZAWA OHACO(かなざわおはこ)」とし、直営店である金沢市の「照乃家」(主計町)をはじめ組合所属の各店で販売する。6月に第1弾として「加賀ゆびぬき」を発売。以降、「白木」「KINOMI」」「折り紙」「KOHAKU」の順で売り出す。価格は未定だが、加賀ゆびぬきは「2,000円から3,000円の範囲で収まるようにしたい」(同組合)という。

後援申請20141009
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