金沢美術工芸大学生有志でつくるグループ「ARTISTONE(アーティストーン)」の芸術祭「アートステーション2010」が3月21日、金沢の石引商店街を会場に始まった。各店舗には美大生らの作品が並べられ、商店街はさながら「アートの街」に。学生らが友人の作品を探しながら、街を巡る姿があちこちで見られた。
同グループは金沢美大と石引商店街の交流を目的に活動しており、今回のイベントも学生と商店主らが知り合うきっかけづくりのために企画した。
展示作品は、同グループが美大生と商店経営者から募集した21点。和菓子店では、鋳金の皿を商品のまんじゅうとともにショーウインドーに飾り、酒販店の店頭には、皮製のショルダーバッグを掲げた。喫茶店では、カラーフィルムを使って人の横顔を表した作品を窓ガラスにディスプレーしている。
リンゴの芯をかたどった木彫りの「食べ跡」、石こうで作った足の中に花を生けた「春のあしおと」、樹脂や毛糸で、クモの巣にかかった猫を表現した「罠」などもガレージや空き店舗を彩り、道行く人の目を引く。
イベントには商店主も協力し、21日・22日は各店特製の弁当やパン、もち、コロッケなども販売。開催期間中は、粗品進呈や割引などの限定サービスも行う。
同グループではこのほか、ミニFMラジオ局を開設。毎日正午から13時まで、歩道に設置したスピーカーを通じて出展者へのインタビューなどを流している。
同グループの代表を務める金沢美大芸術学専攻2年、小島美里さんは「石引商店街は歩いて楽しめる場所。学生や来場者が普段入ったことのなかった店の人と知り合い、また来てみたいと思ってくれれば今回のイベントは成功」と話す。石引商店街振興組合の平野久史理事長も「イベントのおかげで人が歩いてくれにぎやかになった」と効果を実感している様子。
開催時間は10時~17時(最終日は15時まで)。今月28日まで。