金沢「落雁諸江屋」、殿様も口にした「御用菓子」復元-江戸期の古文書参考に

古文書を見せる諸江屋会長の諸江吉太郎さん

古文書を見せる諸江屋会長の諸江吉太郎さん

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 1849(嘉永2)年創業の老舗和菓子店「落雁諸江屋」(金沢市野町1、TEL 076-245-2854)は、江戸時代末期に書かれた古文書を参考に、藩政期、金沢城で藩主や奥方、藩士らが口にした「御用菓子」3種類を復元した。

復元された3種類の菓子

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 復元された菓子は、よもぎ入りの皮と紅色のあん、小豆のこしあんを三層に重ね、草と花、土を表現したまんじゅう「春の山」、四角くかたどった紅色のこしあんで白あんを包み、中国の城郭を表現した「東蘭こう(とうらんこう)」、もちの粉と山芋、砂糖を混ぜ、雪の結晶の形に焼いた「荒粉落雁(あらこらくがん)」。金沢城二ノ丸御殿のお台所で作られていた菓子の材料と色、完成図を記した文書「御菓子製造控」を見ながら職人が作り上げた。

 藩政期の料理人がまとめた「御菓子製造控」には、まんじゅうやもち、ようかん、落雁、有平糖(あるへいとう)など約450種類が掲載されており、その中から諸江屋会長の諸江吉太郎さんが早春にふさわしい3種類を選んだ。

 日ごろ、菓子づくりに使っている材料を用いたため、味は当時よりもずっといいという。見た目は当時のままシンプルだが品のある意匠となった。諸江さんは「最近はいろいろな材料を使った和菓子が増えているが、本当の金沢のものはシンプルだ。復元した菓子を見て、本物を知ってほしい」と話す。

 価格は3点セットで1,050円。「復元加賀百萬石 御用菓子」として注文を受けて製造する。5月には、夏の部として「御菓子製造控」の中から季節に合った3種類を新たに選んで復元し、発売する予定。

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