藩政期から受け継がれる手すき和紙「加賀雁皮」を使った作品展-金沢で

加藤和紙の「柿渋一閑張かご」と「バッグ」

加藤和紙の「柿渋一閑張かご」と「バッグ」

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 江戸時代から受け継がれている手すき和紙「加賀雁皮(がんぴ)」を作り続ける加藤和紙工房(能美郡)は現在、金沢のコーヒー店「さんさんごご」(金沢市木越町、TEL 076-238-1377)で企画展「それぞれの和紙展」を開催している。

加藤和紙の千年ひな

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 雁皮紙は繊維で強靱(きょうじん)、なめらかで光沢があり虫害に強く永年性があることから、古くから「和紙の王様」と言われ重宝されてきた。古くは、金糸・銀紙の台紙として京都西陣に出荷されていたが、その後、金沢の金箔(きんぱく)・銀箔(ぎんぱく)の打紙に使われるようになった。現在では国立博物館の修復の和紙として使用されているほか、書道紙・版画紙・表彰式の永久保存紙としても活用されている。

 原料となる雁皮は、石川県が北限とされる自生の落葉低木で栽培することができない。寒の時期(小寒から大寒を含む立春前までの約1カ月間)に作った和紙が1年の中で最も品質が良く、生産の最盛期を迎える。同工房は雁皮和紙をすく全国で唯一の生産者として、女性が中心となり大自然の中で雁皮工芸品を作り続けている。

 同展では、モダンなデザインの小物や衣服など約50点を展示・販売。もともと洋裁が好きだった同工房の加藤さんが手がける和紙を使った洋服や、雨の日にも対応できるよう柿渋を塗って防水性と保存性を高めた作品が並ぶ。

 縁起物とされるウサギをあしらった「柿渋一閑張かご」(2,940円)や、たんすに入れるとほかの衣類も虫から守るというブラウス(5,250円~)など洋服のほか、手すきバッグ(1万2,600円)、夏は涼しく冬あったかい座布団(8,925円)、レターセット(1,050円)、雁皮ひな(1万500円)など多様な工芸作品が来店者の目を引いている。

 営業時間は8時~19時。日曜・第3月曜定休。3月7日まで。

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