金沢21世紀美術館、5周年で記念式典-累計入館者数は700万人超に

セレモニーでサプライズ提供されたバースデーケーキ

セレモニーでサプライズ提供されたバースデーケーキ

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 開館5周年を迎えた金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で10月10日、記念式典が開催された。

インタビューに応える秋元雄史館長

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 開館以降5年間の入館者数は717万4,359人と好調を維持し、昨年の入館者数は152万8,877人、対前年比6,738人増(100.4%)を記録し、開館1年目に次ぐ記録となった。2007年に就任した現館長の秋元雄史さんの下、同館が守ってきた4つのミッションステートメント「世界の現在(いま)と共に生きる美術館」「まちに活き市民とつくる交流型の美術館」「地域の伝統を未来につなげ世界に開く美術館」「子どもたちとともに成長する美術館」を堅持しつつ、同館を発展させてきた。

 この1年間は、「愛についての100の物語」「杉本博司 歴史の歴史」「未完の横尾忠則」「金沢アートプラットホーム」などの企画展を行うなど、コレクション展も含めて30もの展覧会を開催。そのほか、デザインギャラリー、ダンスパフォーマンスや音楽、映画などの上映を通して美術ファンだけでなく、より広いアートファンの集客にも積極的に取り組んだ。その結果、最新の芸術活動に触れ体感しようと、若年層を中心に全国、世界から多くの人が訪れ「現代アートの発信基地」としてのステータスを確立した。

 併せて、開館以来取り組んできた「ミュージアムクルーズ」や展覧会に関連したワークショップなど教育普及活動も数多く実施し、未来の文化を創出する子どもたちに「開かれた教室」を提供、延べ300校5万人以上の小中学生が訪れた。「まちと共存する」ため、地域と連携した企画や「友の会」に代表される利用者サービスにも積極的に取り組み、現在「アートdeまちあるき」事業で同館のサポートショップとして登録されている店舗は片町、香林坊を中心に約150店に上り、友の会の会員数は2,300人を超えている。

 式典では、金沢大学モダンジャズソサエティの有志による演奏で列席者が同館5歳を祝うバースデーソングを合唱。秋元館長が「5年目は今までの強みと弱みを振り返りまとめる年。まだ5歳の当館は赤ん坊のようなもの。これからも皆に愛され続けるように成長するため、質の高い展覧会を続けたい」と語り、山出保金沢市長は「当館は市の文化的プロモーター的な存在。今までの高い評価や人気を持続することは容易ではないが、緊張感とレベルの高い企画力で、美術館としてのステータスを確実なものにしたい」とスピーチした。途中、ANAクラウンプラザホテル金沢から、サプライズで同館をかたどったバースデーケーキが贈呈され、列席者から歓声が上がった。

 同館では今後、新しいコミッションワークとして、世界的に活躍する現代美術作家のオラファー・エリアソンさんによる新しい恒久展示作品「Colour activity house(色うつろう家)」を東側広場に設置するほか、開館時のコレクション241点が、現在では161作家約3,000点のコレクションに増えたことから、新収蔵作品を網羅した全コレクションを紹介するコレクションカタログを来年1月に発行するなど、さまざまな企画を予定している。

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