JR金沢駅「もてなしドーム」のホールで6月13日・14日に開催された「北陸きものショー2009」に、10~70代の一般着物愛好家女性がモデルとして登場。艶やかな着物姿で舞台に立ち、駅前の広場を華やかに彩った。
同イベントはNPO法人日本きもの文化振興会(金沢市問屋町2)が「日本古来の着物文化を再認識し、その素晴らしさを広めたい」と企画した。ショーに出演する女性を一般公募。500人の応募者の中から1次選考で180人、2次選考で100人を選出。2日間のステージでは、午前・午後で各50人の女性が自慢の着物姿で舞台に立ちスポットライトを浴びた。
企画から運営まですべてがボランティアで行われ、その活動の資金源には国内の染織着物メーカーの協力で開催された「北陸きものジャンボセール」などの収益が充てられた。同法人では昨年4月に「第1回かなざわ古着フリーマーケット&懐かしのきもの展」を行うなど、着物文化の啓蒙活動を続けている。
当日、舞台に上がった女性は10~70代と幅広く、年齢に応じた着こなしの美しさを観客にアピールした。出演者全員が1人ずつ舞台上で紹介され、母娘の思い出や着物に関するエピソードなどがつづられた家族からの手紙が披露された。
同時開催された「きもの丸ごと交換会」では、来場者がタンスに眠ったままの古い着物や帯などを、着物メーカーの新品と交換した。交換したものは有料で仕立てなおすこともでき、振り袖・訪問着・付下げ・留め袖・つむぎ・喪服などを持ち込み、新品を品定めする人でにぎわった。回収された着物は染め替えなどで再利用される。協力したメーカー各社の担当者は「このイベントは着物文化の裾野を広げたいという思いから。採算度は度外視」と声をそろえる。
同法人・理事長の篠原勉さんは「不景気な時だからこそ、華やかなイベントで街を元気付けたいと思った。女性が着物を着ることで、日本の伝統文化が次世代に受け継がれれば。事あるごとに着物を着てほしい」と話す。