金沢で漆芸家、角偉三郎氏の遺作展-仕事で使った遺愛品も

酒注

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 大型商業施設「めいてつ・エムザ」(金沢市武蔵町)は5月2日より、開業5周年記念催事として「輪島に角あり」と一目置かれ、国内外で高い評価を受けてきた漆芸家、角偉三郎氏の遺作展を行う。会場は8階催事場。

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 角氏は、1978年の漆パネル「鳥の門」による日展特選をはじめ17回も日展に入選し、40歳までは日展作家として活躍。その後、石川県柳田村(現 鳳珠郡能登町)の合鹿椀と出会う。合鹿椀は能登の山村の人々が自身で使うために作った1回塗りの素朴な漆だったが、質素で粗野な椀の味わいに魅せられ、使われる道具としての「漆の原点」に価値を見出し、作家から職人の道に転身。漆芸の姿勢だけでなく、その手法においても10回近くも重ね塗りする輪島塗の伝統を否定し、新しい造形世界を目指した。椀や鉢、盆や膳、重箱など、日常使われる器を、手で漆を塗る独特の手法で制作。1994年にドイツ・ベルリン国立美術館で、日本人では東山魁夷に続いて2人目となる個展が開催され、作品はベルリン国立美術館をはじめ、英国のビクトリア&アルバート王立美術館、フランスのパリ民俗学博物館などにも収蔵されている。

 同展では、作家時代の漆額(パネル)やヘギ板盤、素手で文様を付けた独特の盆、漆を手でつかみたたいて幽玄の味わいを表現した桶、椀や銚子など、「かたち」を追求した120余点を展示。さらに「仕事で使用した遺愛品、すぐれて個性的な世界を開示する書の作品など、本展でしか見ることができない品々を展示する」(販売促進部)という。

 開催時間は10時~20時(最終日は18時閉場)。入場料は、一般=500円、大・高生=300円、中学生以下は無料。5月7日まで。

めいてつ・エムザ

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