フラワーアートイベント「喜多家を活(い)ける by jinan」が10月13日から、国指定重要文化財「喜多家住宅」(野々市市本町3)で開催されている。
野々市市観光物産協会が2021年から行っている「IKERU NONOICHI 2024」の一環。イベントテーマは「北国街道・野々市をIKERU(生ける・活ける・いける)」。
フラワーアートを手がけるのは、生花店3店の次男3人で組織するフラワーユニット「jinan(ジナン)」。石川県に残る町家では最古といわれる喜多家住宅の母屋で、古いたんすやつぼなども作品に取り入れ、生花やドライフラワーなどをアレンジした。
同ユニットメンバーで「いなば生花店」(金沢市金石西)フローリストのいなばとおるさんは「入り口近くの土間やオエ(居間)は来場者を歓迎する華やかさを意識し、秋の花であるダリアやキクを使った。座敷では喜多家住宅の日本庭園をバックに野々市の市花木のツバキを飾り、茶室にはトリカブトや植物をくりぬいて貼り付けたキューブなどを置いた。それぞれの部屋や調度品を生かしたアレンジを楽しんでほしい」と話す。
10月14日は、野々市市在住の子ども15人と保護者を対象にワークショップを行った。「秋のお月見」をイメージし、ユーカリの木の下に置いた黒い水盤に参加者がガーベラの花を浮かべた。
同協会事業企画担当者の中川尚子さんは「重厚なイメージがある国指定重要文化財喜多家住宅に鮮やかな植物を飾ることは、建築物の新たな魅力を引き出す狙いがある。普段は喜多家住宅に足を運ぶ機会が少ない子どもや若い世代に、地元には自慢できる文化財があることを知ってもらえたら」と話す。
開催時間は9時30分~16時30分。入場料は中学生以上=500円。10月20日まで。