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金沢市内8つの寺院で芸術祭「oterart金澤2024」始まる

倉林雅幸さんの油絵とプロジェクターを使った作品

倉林雅幸さんの油絵とプロジェクターを使った作品

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 寺の本堂や境内でアート作品などを展示する芸術祭「oterart金澤(オテラートかなざわ) 2024」が9月21日から金沢市内8つの寺院で始まった。

寺院に展示した作品やイベントの様子

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 「オテラート」は「お寺」と「アート」を掛け合わせた造語で、作家などの有志で構成する「oterart金澤 2024実行委員会」が主催する。14回目となる今回は、「夢か、現(うつつ)か」をテーマに国内外で活動する作家や学生など64組が作品を展示。さまざまなパフォーマンス・イベントや露店の出店のほか、作家オリジナル缶バッジ販売の収益全額を寄付する能登半島地震の被災地応援企画なども行う。

 廣誓寺(昌永町)では、太田魁さんが筒状の漆作品を傾けると水の流れるような音を出す擬音楽器「水環琴(みなわのこと)」を展示。太田さんがいる時は実際に触れて音を鳴らすこともできる。太田さんは「芸術祭のテーマ『夢か、現か』を表現した。実際にはない水の音を鳴らして楽しんで」と話す。ほか7人の作品を展示する。

 聞善寺(瓢箪町)では、天井からつり下げた書が部屋一面を埋め尽くす小坂素石さんの作品「万葉挽歌(ばんか)」を展示。人間の生死に関わる歌が多く書かれている万葉集の挽歌に「夢か、現か」を見いだして作品にしたという。

 アクセサリーを入れた木箱を背負って歩く人が会場寺院に予告なしで現れる「現で逢(あ)えるまでは夢かもしれない雑貨店」も実施する。町中を歩く様子の配信までを含んだ巳雲さんによるパフォーマンス作品で、配信会場は興徳寺(寺町5)。会期中の出没場所は非公開。

 イベント初日の21日には、地元バンドpommezが崇禅寺(瓢箪町)で住職が唱える般若心経とセッションをしたり、23日には、あす香さんが長久寺(寺町5)でクリスタルボウルと楽器のライアーで幻想的な演奏を行なったりと、寺院の空間と雰囲気を生かしたパフォーマンスも開催された。それぞれの寺院で住職の解説を聞いて回るツアーや、スタンプラリーなども実施するという。

 同イベント実行委員長の崇禅寺住職・三香美晋道さんは「美術館では見られない寺ならではの展覧会やイベントを通して、各作家の『夢か、現か』に合わせたさまざまな表現を楽しんでほしい」と話す。

 開催時間は13時~18時(最終日は17時まで)。9月29日まで。

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