テキスタイルデザイナー須藤玲子さんが7月20日、「つまみ絞り」による布作りワークショップを国立工芸館(金沢市出羽町)で開いた。
須藤さんは国内外で活動するテキスタイルデザイナーで、東京造形大学名誉教授。伝統的な染織から現代の先端技術まで幅広い技術を使って新しいテキスタイルを生み出している。同館で8月18日まで開催中の展覧会「おとなとこどもの自由研究 工芸の光と影展」に作品「折り紙プリーツ」を出品している。
ワークショップでは、熱可塑性のポリエステルと熱昇華インクを組み合わせて「つまみ絞り」を作った。インクを含む専用紙に穴を開けて布をつまみ入れ、大きなアイロンのような装置で加熱と加圧をすることによって絞りの効果を出すという須藤さんが開発した手法でワークショップを行うのは初めてという。100%リサイクルされた素材の布と、水を使わない着色手法を組み合わせることで環境にも配慮する。
参加者からは「偶然から生まれる形や模様が面白く、子どもでも楽しめる」などの声が聞かれた。愛知県から参加した女性は「地元の有松絞りに着想を得た手法だという説明を聞いてうれしかった」と話していた。
須藤さんは「参加者から次々に新しいアイデアが出てきて驚いた」と振り返る。金沢については、「伝統工芸と先端技術の両方がそろっているのがいい」と話す。