能登半島地震の影響で現在休止している21世紀美術館「DXP(デジタル・トランスフォーメーション・プラネット)展」の関連企画「被災地のことばをかたちに」が2月23日と24日、同館プロジェクト工房で行われた。
同展ではAIを活用して話し、言葉をShotBotという工作機械で立体にする展示を企画。そのシステムを開発したVUILD((神奈川県川崎市)が、同プロジェクトでも中心となり、能登半島地震の被災者の困り事を解決する家具や道具を形にしていく。
会場には全壊した建物から取り出した欄間を使ったベンチや、落ちた屋根瓦を使ったスツールなど、ShotBotを活用して作ったサンプルを展示。困っていることをヒアリングし「こういうものがあったら」というアイデア出しを行い、同社デザイナーが伴走しながら形にしていく。会場に来られない人にはLINEで相談にも応じる。
同社は社員でデザイナーの沼田汐里さんの実家が今回の地震で全壊判定となったことを受け、ShotBotを使った実家再建プロジェクトも計画している。金沢など地元のShotBotオーナーとも会話を始め、思い入れのある古材を活用したり街並みに合う外観にしたりと、デジタル技術を活用しながら被災者と一緒に作っていくという。
VUILD社長で建築家の秋吉浩気さんは、「被災者の声を聞くことが大切。声を聞けばそれを実現する技術はあるし、それを手伝いたいという人も必ず出てくる」と話す。
次回イベントの開催日は3月30日~31日。