金沢市で活動する陶芸家の今西泰赳さんが、令和6年能登半島地震の被災者支援を目的に「工芸作家チャリティーオークション」を立ち上げた。
今西さんは自身が2022年にロシアのウクライナ侵攻による負傷者や難民支援を目的としたチャリティーオークションを行った経験を生かし、能登半島地震から6日後の1月7日にオークションサイトを開設した。オークション落札額の100%を日本赤十字社の「令和6年能登半島地震災害義援金(石川県、富山県)」に寄付する。
オークション開設に当たって「石川県には金沢美術工芸大学や九谷焼技術研修所、輪島漆芸技術研修所など工芸を学ぶ学校や施設が多数あり、そこで学んだ作家が県内はもちろん全国で活動している。素材や道具などで石川県と関係を持つ作家も多い。彼らの能登の復興支援をしたいという熱い思いを受け止める場が欲しかった」と話す。そのためギャラリーやオークションサービスなどを介さず、あえて作家の人的ネットワークを中心とした活動にすることによって作家の信頼関係を築くことを大切にしたという。既に北海道から沖縄まで70人以上のさまざまな分野の工芸作家からチャリティーによる出品申し出があり、今後さらに増えることが見込まれる。
オークションにぐい飲みを出品する今西さんは、「今回の地震で多くの酒蔵が壊滅的な被害を受けているというニュースを聞き、いつかこのぐい飲みで能登のおいしいお酒を飲む日が来てほしいと思った。地震という破壊に対してつくることで対抗するのが工芸作家としてできることではないか」と話す。
オークションの入札期間は2月2日~2月4日。