コンテンポラリージュエリーの展示会「New 纏(まと)う装飾」が現在、ギャラリー「atelier&gallery creava(クリーヴァ)」(金沢市長町2、TEL 076-231-4756)で開催されている。
コンテンポラリージュエリーは宝石や貴金属にこだわらず、作家それぞれに美しさや価値を見いだした素材を中心に制作した装飾品で、アート性やメッセージ性が強く表れるのが特徴。
同展には全国から若手を中心に17人の作家が約180点を出品した。文字をモチーフにアクリル板を加工したネックレスやガラケーを分解して組み合わせたブローチやリング、記憶をテーマに写真をガラスに閉じ込めたピアス、造花を熱でプレスして平らにし鮮やかな色彩を見せたジュエリーなど、新しい視点や解釈の作品が並ぶ。
長岡造形大学(新潟県長岡市)在学中にドイツのイーダーオーバーシュタインへ留学し、コンテンポラリージュエリーに魅了されたという桑原有里佳さんは、瑪瑙(めのう)をカービングして薄く伸ばし、透け感や素材そのものの模様を楽しむ宝石彫刻を制作した。現在千葉県在住の桑原さんは「金沢で自分の作品が展示されるのは光栄なこと。同じように作品を制作する作家同士の交流からインスピレーションを得たい」と話す。
金沢美術工芸大学を卒業し、東京都内で制作を行う曽谷朱音さんは「金沢美大で学んだ金属工芸や彫金の技術を基に、奈良の大仏の制作過程と同じ伝統的な技法でジュエリーを作っている。お世話になった土地に作品を展示できてうれしい」と笑顔を見せる。
同ギャラリーの川岸いずみさんは「金沢でコンテンポラリージュエリーはあまり浸透していないが、工芸が根付く地域として手仕事にこだわる部分に共通点を感じた。人によって受け取り方や見方が異なる作品も多く、新たな刺激となれば。作品は全て販売可能で、ファッションに合わせて挑戦的な気持ちで身に着けてもらいたい」と話す。
開催時間は11時~17時。水曜・木曜定休。9月24日まで。