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イノシシ肉「加賀の國ジビエ」と鍋料理店がコラボメニュー 里山の現状知るきっかけに

「Gibier Atelier加賀の國」の福岡さん(左)と「SU-BEE」の田端社長(右)

「Gibier Atelier加賀の國」の福岡さん(左)と「SU-BEE」の田端社長(右)

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 石川県内で3店舗を展開する鍋料理店「さぶろうべい」は3月10日から、南加賀地区で捕獲されたイノシシ肉のブランド「加賀の國(くに)ジビエ」とのコラボメニューを期間限定で提供する。

「“加賀の國”仔(こ)イノシシの塩麹(こうじ)漬け×白菜鍋」

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 南加賀地区では野生鳥獣による農作物へ被害や人的被害が問題となっており、対策のため地域住民・猟友会・行政などが連携してイノシシを捕獲している。イノシシの肉は栄養価が高く、ジビエ料理の素材としても扱われる一方で、大半が出回ることなく廃棄されてきた。2019(平成元)年に捕獲したイノシシの活用と肉のおいしさを広く知ってもらうため、獣肉処理加工施設「Gibier Atelier(ジビエアトリエ)加賀の國」(小松市江指町)を設立。衛生管理や消費者への安心確保などの基準を満たす事業所として「国産ジビエ認証」を北陸地方で唯一取得し、全頭血液検査や常駐する獣医師による状態確認を経て、食用として問題ないイノシシ肉だけを「加賀の國ジビエ」として出荷している。

 「Gibier Atelier加賀の國」技術指導の福岡大平さんは「イノシシ肉の出荷量を増やし、一般に流通させたいと考えていた時、さぶろうべいを運営する『SU-BEE』(金沢市玉川町)の田端弘一社長と出会った。自身も元々好きで通っており、『さぶろうべい』ならイノシシ肉をさらに食べやすくおいしく料理してもらえると、コラボメニューの開発に結び付いた」と話す。

 提供するのは、イノシシ肉を塩こうじに漬け込み、同店の看板メニュー「白菜鍋」にトッピングした「“加賀の國”仔(こ)イノシシの塩麹(こうじ)漬け×白菜鍋」(1,380円~)と、イノシシ肉を揚げた一品料理「“加賀の國”仔イノシシの塩麹漬け 揚げおろしポン酢」(770円)の2品。福岡さんは「里山から頂いたイノシシの命を大切につないでいかなければいけないという思いで活動している。イノシシ肉はこういう味でこんな食べ方があると多くの人に知ってもらいたい」と呼びかける。

 「SU-BEE」の田端社長は「里山で起こっていることや捕獲されたイノシシの現状を福岡さんから聞き、南加賀で起きていることは日本各地の里山でも共通の問題であると知って、『さぶろうべい』として何かできないか考えた。飲食業界としても里山との持続的な共生につながるきっかけになれれば」と話す。

 「さぶろうべい」全店舗で提供する。4月16日まで。

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