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石川県で実際に起きた殺人事件が題材の映画「とら男」 金沢で舞台あいさつ

映画「とら男」の舞台挨拶を行う村山監督(左)や西村虎男さん(中央左)ら

映画「とら男」の舞台挨拶を行う村山監督(左)や西村虎男さん(中央左)ら

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 金沢市の「香林坊東急スクエア」(金沢市香林坊2)のミニシアター「シネモンド」(TEL 076-220-5007)で8月20日、映画「とら男」の上映が始まった。

映画「とら男」ポスター

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 同作は1992(平成4)年に発生し、未解決のまま2007(平成19)年に時効を迎えた「金沢女性スイミングコーチ殺人事件」を題材に、当時石川県警の刑事として捜査を担当していた西村虎男さん本人が東京の女子大生を相棒に定年後も真相を追い続けるセミフィクションとして構成されている。

 初日の上映後には脚本・編集・プロデューサーも手がけた村山和也監督と西村さん、石川県出身の俳優・南一恵さん、現職と同じDNA分析の研究者として出演した石川県立大学教員の中谷内修さんが登壇し、舞台あいさつを行った。

 村山監督は犯行現場とされる「松任グリーンパーク」がある白山市(旧松任市)出身で、子どもの時に身近で起きた同事件に興味を持ち続けていたという。自身初の長編映画の制作過程で西村さんが定年退職後に電子書籍として出版した「千穂ちゃんごめん!」を読み、直接会いに行ったことで「事件への持論や警察の捜査ミスを訴える虎男さんの強い思いを背負って走り出した」と振り返る。

 西村さんは当初、自身が映画の主役を務めるとは考えておらず、撮影場所の案内などロケハンへ協力しているだけのつもりだったという。西村さんは出演を決めた理由として、「村山監督に協力したいという気持ちもあるが、事件当時に間違った人物が犯人として名指しされて広まったうわさを、それは違うと否定したいと思った」と話す。ストーリーでは西村さんの推理と村山監督がリサーチした上で「確信している」という、真犯人像にも迫る。

 村山監督は「あくまでフィクションという皮をかぶせているが、うそともいえない部分もある。作中の聞き込みシーンに登場したのも、内灘町地域産業振興課が運営する『内灘フィルムコミッション』協力の下、実際に事件について知っていることだけをしゃべってもらったリアルな人々。南さんが演じた元水泳コーチも、聞き込みをした中で実際に出会った被害者と同じ職場で働いていた人がモデルになっている」と話す。南さんは「作品全体に自然な金沢弁が登場し、お隣の誰かと話している、聞いているような感覚になる。地元金沢で上映されることも喜ばしい」と笑顔を見せた。

 鑑賞料は一般=1,800円、シニア=1,300円、学生=1,000円、高校生以下=500円、シネモンド会員=1,200円

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