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金沢・武蔵地区の建築にスポット当てた展覧会 建築士が街の変遷振り返る

施工当時の設計図

施工当時の設計図

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 近江町市場に併設する「北国銀行武蔵が辻支店」の建築にスポットを当てた、建築士の山本周さんによる展覧会「私はもっと視野を広げたい」が現在、ギャラリー「金沢アートグミ」(金沢市青草町、TEL 076-225-7780)で開催されている。

【VRで読む】第11回コーポレートアート展「私はもっと視野を広げたい」の会場風景

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 同展は北国銀行と金沢美術工芸大学の連携事業「コーポレートアート展」の第11弾。同大学のOBやOGの作品を展示するが、建築をテーマとするのは今回が初。金沢在住の山本さんは同大学大学院を修了後、長谷川豪建築事務所を経て自身の事務所を設立し、近作には「荏田南交差点の改修」「問屋町の大掃除」など。

 地域のランドマークとして知られる同建築は1932年、村野藤吾の設計により施工された。近江町市場再開発のため、取り壊しの計画もあったが市が保存を要望し現在の位置に移設され、3階に同ギャラリーが入居する。

 山本さんが建築士として経験を積む中で自身が必要と感じる「幅広い視野」を、鑑賞者と共に感じたいと企画された同展。準備に当たり、銀行・市場・施工など改修当時の関係者にインタビューを重ねた資料をアーカイブとして展示し、地域の歴史や街づくりの経緯を振り返る。

 会場には同ギャラリーの柱から天井や壁、これまで使用されてきた資材や設備、備品まであらゆるものに説明書きのキャプションを貼付し展示する。建築とその内容物が積み重ねてきた時間や歴史を可視化する試みを行い、バックヤードやベランダなど全て開放した。

 山本さんは「この建物を巡る市場を中心とした北国銀行やアートグミの取り組みが、地域ならではの都市に対する考え方を示しているように見えた。場所や人を知ることで、散らばっていた断片が一つの物語として見え始める。すでにある状況から視野を広げ、新たな街への発見につながれば」とコメントを寄せる。

 開場時間は10時~18時。水曜定休。3月14日まで。

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