金沢の老舗蔵「ヤマト醤油味噌(しょうゆみそ)」(金沢市大野町)が食肉加工の「河内物産」(かほく市)とコラボした家庭用冷凍食品「鶏トロの金沢白糀漬(しろこうじづけ)」を11月28日、発売した。
新型コロナウイルスの感染拡大による「家庭内食」の需要増加や健康意識の高まりによる消費者のニーズに応えようと、「地域の食文化に根差した健康的な日常食」をコンセプトに開発した同商品。ヤマト醤油味噌より自社発信のブランドを目指していた河内物産に連携を持ち掛けた。
みそ、しょうゆ、甘酒・魚醤(ぎょしょう)などの発酵食品を手掛ける「ヤマト醤油味噌」と、鶏肉専門の加工業者「河内物産」の両社が互いの強みを生かし、無添加の冷凍食品として共同開発。当初はヘルシー面から胸肉での開発を検討したが、試作を重ねるうち、こうじと最も相性が良い点から、手羽元のジューシーさと胸肉のヘルシーさを兼ね備える「小肩(鶏トロ)」を採用した。
ヤマト醤油味噌の「金沢白糀」で一晩漬け込むことで、鶏肉本来のうま味と白みそで漬けたまろやかで優しい味わいと、しっとりとやわらかい食感を実現した。家庭で手軽に調理できるようカット済みの鶏肉を使い、日常の食事からこうじ菌を手軽に摂取できるよう工夫したという。
ヤマト醤油味噌広報の山本耕平さんは「今後もこうじを使った商品でコラボしていきたい。こうじパウダーを使った商品開発を目指す」と話す。河内物産社長の河内勇二さんは「鶏肉を健康的に味わっていただきたく、添加物に頼らない鶏肉本来の味を追求したい」と意気込む。
価格は398円(300グラム)。ヤマト醤油味噌の「糀パーク」と通販、県内のスーパーと生協などで販売する。