金沢の伝統的な町家「金澤町家」33軒で多彩なイベント-活用法探る

東山の金澤町家研究会事務局

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 現在も住居や仕事場として利用されている金沢市内の伝統的な町家を公開し、その継承と活用を推進するためのイベント「町家巡遊2008」が開催され話題を集めている。

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 主催するのはNPO法人「金澤町家研究会」(金沢市)。市内にはおよそ9,000の町家があると推測され、中でも「金澤町家」は昭和25年以前に建てられた歴史的な住宅を総称するもの。

 同会では「町家は、住人と町を互いに溶け込ませる接点の機能が構造上存在し、住む人の空気を町に伝え、町の空気が家の中に伝わってくる閉じない空間」という視点から、伝統的町家を継承・活用して「地域づくり」を狙うもの。

 今回は「金澤町家」が多く残る東山、犀川、浅野川、大野・金石の各エリアにある33軒の町家で、普段は入れない個人宅での住人との語らいや、職住一体の職人や商店主によるミニレクチャー、空き家でのアート展示やコンサートなどが開かれるほか、「町家不動産物件探し」などの42の催しが行われている。同時に、同エリア近隣22店が協賛する町家ショップ巡りも行われ、1カ月間にわたり多種多様な催しが予定されている。

 同研究会は約3年前から活動を開始。これまで町家の調査研究をはじめ、体験宿泊やお茶会、昔遊び体験などの空き町家活用を探るイベントを行ってきたといい、金沢大学講師で研究会幹事の小林史彦さんは「町家を継承していくには、本格的な様式を守って『これぞ町家!』という姿を維持する一方、町家の良さを生かしながらも、家具や間取りを現代的に工夫するなど新しいライフスタイルを提案するようなアプローチも重要」と語る。先日開かれた会場での来場者アンケートによれば、「今後、町家を利用したい」「どちらかといえば利用したい」との回答が77%に上ったという。

 「町家の良さを肌で知っているのは親世代。一方で町家は時代遅れで不便と思い込んでいるのも親世代かも。これを継承してゆくことは地域づくりそのもの」と語る小林さん。自身も好きが高じて大野町の町家を購入、今回のイベントにも参加している。

 「町家巡遊2008」ではエリアを区切って多種多様な催しが短期間に集中するように企画され、週末はその町の雰囲気ががらりと変わるといい、小林さんは「今回のイベントのシンボルである『軒先の水引オブジェ』を目印に、町家巡りで秋の風を感じてみては」と話す。11月3日まで。

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