パレスチナ出身の文学者、エドワード・サイードの世界を追ったドキュメンタリー映画「エドワード・サイード OUT OF PLACE」の上映会が8月24日、「金沢アートグミ」(金沢市青草町、TEL 076-225-7780)で開催される。
NPO法人の同団体有志が昨年結成した「アートグミ映画部」による活動「グミシネ」の第2弾。普段なかなか見る機会がない映画をいろいろな人と一緒に見てもらおうと上映作品を選んでいる。昨年は酒井耕・濱口竜介監督の東北記録映画「なみのおと」など三部作と七尾旅人ライブ映像「兵士A」の5作品を一日かけて上映した。
第2弾の同作品は、「オリエンタリズム」の理論で知られ2003年に亡くなったパレスチナ出身の文学者エドワード・サイードが「遠い場所の記憶 自伝」に描いた世界を追い、代表作「阿賀に生きる」の佐藤真監督が撮ったロードムービー風のドキュメンタリー映画。
上映会では翻訳者で映画の監修にも関わった中野真紀子さん、元中東特派員の新聞記者・福島利之さんら4人によるトークショーのほか、パレスチナ料理を振る舞う企画も行う。同映画部長は「ノマド(遊牧民)として生きる作家の孤独な使命が反映されているように思う。サイードや佐藤が感じていた故郷喪失やあるべき場所から疎外されている『OUT OF PLACE』の感覚について考える機会となれば」と話す。
同団体の小森隆文さんは「参加者おのおのが自分自身の遠い場所の記憶やそれにつながる幸福論を考えるきっかけとなれば。映画好きに限らず、映画を使った面白いイベントをやりたい有志を募っているので注目してもらいたい」と呼び掛ける。
開催時間は17時~21時30分。料金は3,500円(ドリンクとフード含む)。定員30人(要予約)。要予約。申し込みは電話かメールで受け付ける。