石川県立歴史博物館「世界大風呂敷展」閉幕-8千人以上が来館

世界大風呂敷展

世界大風呂敷展

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 石川県立歴史博物館で「世界大風呂敷展」が夏休みの51日間にわたり開催され、多くの観光客や学生らが訪れる中、9月7日に幕を閉じた。

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 同展は大阪・千里の国立民族博物館で開催された「世界大風呂敷展」の巡回展で、世界25カ国から風呂敷として使われている約400点の布が展示された。併せて、特別室には呉服問屋として知られる花岡家のコレクションの中から、加賀友禅の風呂敷約30点が並んだ。

 「布で包む ものと心」をテーマに、生活に密着して使われてきた風呂敷が世界の地域別に展示された館内では、風呂敷について来館者が、日ごろ抱いているイメージとは異なる世界各地での使われ方や、形状や色合いに熱心に見入る様子が見られた。

 「もの」を包む文化は世界中にあり、中近東では「風呂敷」の語源と同じく風呂屋で衣服を包んで棚に並べるという。アフリカでは、ものを包んで頭に乗せたり腕でぶら下げて持ち運び、子どもを包んでおんぶする姿もなじみ深い。ヨーロッパでは流浪のシンボルとして職人が修行時に身の回りのものを持ち運ぶために使ったとも。

 「心」を包む文化は、宗教や冠婚葬祭の場で見られる。イスラム圏では経典コーランを包む聖なるものとしてあり、また、韓国では遺体を包む特別な儀式に欠かせないものとして使われてきたという。日本では出雲地方の嫁入り道具としての風呂敷一式などが知られている。

 風呂敷の素材は絹・麻・木綿などが用いられ、刺しゅうをあしらったものや丁寧にしま織りされたものや染色されたものなど多岐にわたる。図柄や色合いも世界各地の特徴があり、藍染の多い日本の風呂敷と比べてカラフルなものも広く見られる。

 併せて開催された体験教室「ワークショップ 風呂敷の包み方」では、ボール状のものを包む「スイカ包み」や「ペットボトル包み」、バッグとして使える「エコバッグ包み」など、エコブームで注目される用途なども紹介された。

 開催期間中の来館者数は8,123人。

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