金沢のITビジネスプラザ武蔵(金沢市武蔵町14)で7月5日、専門家だけにとどまらない実践型のAIコミュニティー構築を目指した「ZENKEI AIセミナー」がスタートする。主催は全景(大豆田本町、TEL 076-234-7077)。
同社では自社のVRシステムの開発を通じて、ディープラーニングが従来のプログラミング開発に比べてはるかに発展性が高いことを実感し、同技術に取り組む人材が「そこここ」にいることが地域のチャンスになると予測。そのためには、同技術の未経験者や事業への活用を検討したいが糸口がつかめないという人たちが幅広く集まり、まずは理論からではなく、実践を通じて同技術を肌で感じてもらうことが重要と考えた。
同社研究チーフエンジニアの市來健吾さんは「インターネットの普及により、情報の地域格差は解消されると言われるが、ディープラーニングなど最新技術を活用した開発においては、海外や東京に比べ、金沢はまだ活性化していない。その大きな原因の一つは、地域のコミュニティーの不在が挙げられる」と話す。
企業の活動においては「外部との情報共有(オープンな姿勢)」と「知的財産の保護」のジレンマが常にある。同社では、開発されるソリューションがプログラム単体では意味を成さず、現実のビジネスではデータセットやサービスを含めたシステム全体がそろって初めて事業価値が生まれる構造になっていることから、ディープラーニングによる課題解決の「部分の最適化」においては「オープンな姿勢」のメリットが大きいと考え同セミナーを企画。受講者向けにネットフォーラムを通じた講習サポートを実施しながらコミュニティーの形成のきっかけにしたい考え。
市來さんは「多くの子どもや若者が野球選手やミュージシャンに憧れ、最初は見よう見まねで始めていつかはプロになるイメージで、受講者それぞれが考える課題をディープラーニングで解決できるようになることを目指す。システムエンジニアの方はもちろん、非専門家である経営者、デザイナー、営業職などの方にも意欲を持って参加していただき、金沢の地でコミュニティーを形成していけたら」と話す。
開催は月1回で全6回。初回は概要説明、2回目以降は各自PCを持参し、レクチャーを受けた後、実際の演習形式でディープラーニングを習得する。
開催時間は18時30分~21時。参加費は初回無料、2回目以降有料。初回定員は50人、2回目以降は10人前後。