金沢市郊外の里山「平町・千本桜の里」(金沢市平町)の桜が見頃を迎え、4月14日から「桜 お花見期間」が始まった。
市内中心部から南東に約10キロに位置する平町は、奈良時代に開村した自然豊かな里山。かつては炭焼きなど林業で栄えていたが、山の仕事の衰退によって住民が減少した。長い歴史を誇る集落を消滅させてはならないと、2001年から耕作放棄地の竹を伐採。2007年からはNPO法人森林環境保全・里山物語(三口新町3)を中心に、ボランティアや有志の協力を得ながら、約1000本の桜の苗木を植えて、「平町・千本桜の里」としてよみがえらせた。
例年桜の時期には多くの花見客でにぎわうため、地元住民やボランティアが中心となって交通整備などを行っていて、今年は22日までを「桜 お花見期間」として花見客を迎えている。
「千本桜の里」には、ソメイヨシノやシダレザクラ、大島桜など約13種類の桜が植えられている。今年は開花が早かったため、ソメイヨシノなどは葉桜になっているが、カンザン、シロバナシダレなどはこれから見頃となる。桜の小道を登った頂上の見晴台からは、自然豊かな里山の風景を臨むこともできる。
平町出身の南千恵子さんが土日限定で営む「山のパン屋さん」(平町、TEL 090-9768-8561)では、同町の水と地元産の材料を使ったパンを販売。「おいしい」と評判でこのパンを求めて訪れる人も多いという。営業時間は10時~15時(なくなり次第終了)。
同NPO代表の出口勝男さんは「平町を愛する皆さんの協力を得て作り上げた『千本桜の里』。自然と触れ合ったり、心を癒やしたりしていただく場所として、皆さんのお役に立てれば」と話す。「特産品の加賀八つ房とうがらしの収穫やホタル観察など年間通してさまざまな自然体験プログラムも行っているので、こちらも参加していただけたら」とも。
開催時間は10時~16時。入場無料。今月22日まで。