金沢市の中心部近く、「オヨヨ書林せせらぎ通り店」(金沢市長町1、TEL 076-255-0619)で3月4日、「金澤蓄音器音楽団 小説家と蓄音器」が開催される。
同イベントは金沢市の「文化施設を活用した文化の人づくり事業」の一環として開催。金沢市と、書店とギャラリーを併設するデザイン事務所「Hotchkiss」(広坂1)が主催する。イベントでは「金沢蓄音器館」(尾張町2)で館長を務める八日市屋典之さんとゲストが蓄音器をテーマに対談形式のトークショーを行い、同館のコレクションやゲストが選んだSP盤の試聴を蓄音器で楽しむ。
企画に携わる岩本歩弓さんは「金沢蓄音器館で八日市屋館長のトークを聞き、その語りに感動した。多くの方に同館と蓄音器について知ってもらいたいと、出張蓄音器イベントを企画した。まずは蓄音器の音を生で聞き、同館にも足を運んでいただければ」と開催への思いを話す。
昨年12月には第1回として「カレーと蓄音器」が「JO-HOUSE石引店」(石引2)で開かれた。蓄音器の音を聞くのは初めてという参加者も、知識が豊富な八日市屋館長と同店店主でレコードコレクターのモカさんとの対談や、その魅力を楽しんだという。
今回はゲストに、蓄音器を愛用する小説家・いしいしんじさんを招く。いしいさんはイギリス製の蓄音器「コロちゃん」と共に来場する予定で、トークショーのほか、いしいさんがセレクトしたコレクションの試聴や蓄音器館の蓄音器との聴き比べなども行う。参加者には会場と隣接するビストロ「ひらみぱん」の特別メニュー「スープ餃子」が振る舞われ、「オヨヨ書林せせらぎ通り店」店主・佐々木奈津さんが選んだ「覆面文庫本」がお土産として渡される。岩本さんは「寒い中、スープ餃子で温まりながら蓄音器の音に浸っていただきたい。文庫本は開けてみるまでのお楽しみ。自分で選んだ本ではない、本当の意味での偶然の出会いも時にはよいのでは」と話す。
「小説家の言葉で語られる蓄音器や音楽への思い、音の魅力など、この時しか体験できない音や言葉をじっくりお楽しみいただければうれしい。蓄音器初体験の方にもこの機会にぜひ参加していただきたい」と呼び掛ける。
開場時間は15時30分、開演時間は16時~18時。参加費は、予約=2,500円、当日=3,000円。申し込みは同店、または「Books under Hotchkiss」(TEL 076-222-1801)で受け付ける。