金沢市の「金沢市民芸術村」(金沢市大和町1)で現在、「金沢泉鏡花フェスティバル2017」が開催されている。
【パノラマVR】金沢市民芸術村で開催中の「金沢泉鏡花フェスティバル2017」
同イベントは金沢市が1973(昭和48)年に制定した泉鏡花文学賞の20周年を記念し、1992年に初開催。以来、5年ごとの記念事業として今年6回目の開催となる。最終日の11月19日には、第45回泉鏡花文学賞を「最愛の子ども」で受賞した松浦理英子さん、第45回泉鏡花記念金沢市民文学賞を受賞した紫藤幹子さん、皆川有子さんなど、本年度受賞者の授賞式を行う。
今回は「怪奇・幻想・粋美 さまざまな魅力の鏡花に会える五日間」をテーマに、金沢三文豪として知られる泉鏡花の魅力や作品を紹介。「大人鏡花記念館 幻妖粋美 泉鏡花とメディアミックス」では、明治時代から現代まで絵画や演劇、漫画、アニメ、ゲームといろいろな形で再生され続ける泉鏡花の作品、そのメディアミックスの軌跡を展示する。
五木寛之さんら泉鏡花文学賞選考委員が出演する「文芸フォーラム」や、泉鏡花の作品を基に作られた絵本「化鳥」の世界を体験する展示とワークショップ、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞を受賞した佐々木透さんの演劇作品「世界はあなたの物」の上演など、多分野のプログラムを予定する。
今年は泉鏡花の戯曲「天守物語」の発表から100年を数える。アメリカで日本文学を専攻し、歌舞伎として「天守物語」を上演したポートランド州立大学の学生らを招き、その舞台裏などを聞く講演会や、「天守物語」を連想させるしつらえや茶道具でもてなす茶会、映画「天守物語」の上映なども行う。
金沢泉鏡花フェスティバル委員会事務局の中森美智子さんは「イベントの核となる『泉鏡花文学賞』は、鏡花の世界に通じるロマンの香り高い作品が毎年選ばれている。今回受賞した松浦さんの作品は泉鏡花の作品と同じく、女性への同情と共感という考え方が共振しており、高く評価された」と話す。「イベントは泉鏡花が好きな方も、作品を知らない方も楽しめるプログラムが満載なので、5年に1度の機会に足を運んでいただきたい」と呼び掛ける。
11月19日まで。