金沢市内で9月16日、町家を巡り、その魅力を体感するイベント「金澤町家巡遊」がスタートする。
2008年から毎年開催されている同イベントは今年で10周年。今回は、約100軒の町家が参加し、普段は公開されていない町家を特別公開するほか、各エリアの町家を巡るツアー、ショップイベントなどを行う。
非公開町家の特別公開では、染物店や畳店、茶道具店などの商家、町家を活用した工房やカフェ、セレクトショップ、ゲストハウスのほか、一般の住宅も公開する。町家によっては、建築史学者、建築家による解説会、トークイベント、展示会なども開催。芸妓(げいこ)の家だった建物を改修した「Cafe&barくわじま」(金沢市東山)、築150年の町家でコケを使ったテラリウムやミニ盆栽を作る「HISOCA」(東山)など、今年オープンしたばかりの町家ショップも参加する。
ツアーは、近江町市場近くの骨董(こっとう)店を巡るツアー、ひがし茶屋街そばの町家群を巡るツアー、染物店、畳店など職人が使い続ける工房を巡るツアーなど、エリアの特色を生かした6つのコースを用意する。ショップでは、ワークショップや展示、スペシャルメニューの提供など、それぞれ工夫を凝らした企画を実施する。
主催する金澤町家研究会の北出健展さんは「金沢には、時代的には江戸時代から戦前まで、用途別では武家屋敷から商家、住宅まで、大小さまざまな町家が残っていて、多彩な町家をご覧いただける貴重な機会」と話す。自身も神奈川県から移住し、昨年、町家を改修した豆の甘味店「豆月(まめづき)」(東山)を開業しており、「地元の方、観光客はもちろん、金沢への移住や町家での起業を考えている方にもお勧め」とも。
ツアーやワークショップはほとんどが予約制。詳細はホームページで確認できる。問い合わせは同研究会事務局(安江町、TEL 076-254-0647)まで。9月18日まで。