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金沢で新興写真の展覧会 地元写真家・折橋正一さんによる街の変遷たどる作品も

折橋正一さんの作品「50」

折橋正一さんの作品「50」

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 金沢・浅野川沿いの私設図書館「山鬼文庫」(金沢市桜町、TEL 076-254-6596)で4月8日、展覧会「新興写真に始まる-写真集の時代より」が始まった。

【パノラマVR】「新興写真に始まる-写真集の時代より」の様子

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 ドイツでは1930年代に「新即物主義」と呼ばれる写真表現が生まれ、それまでの絵画的な芸術写真に代わって、無演出・無機質な写真が盛んになった。これは日本では「新興写真」と呼ばれ、若いカメラマンたちはデザイナーとコラボし、斬新なレイアウトで構成される写真集を多く発表した。

 今回の展示会では、新興写真を代表する写真家・堀野正雄、木村伊兵衛、名取洋之助らの作品を展示。このうち堀野正雄の写真集「カメラ・眼×鉄・構成」は、鉄橋や客船、ガスタンクなど近代文明のシンボルの無機質な特性を描き出し、日本の新即物主義を代表する画期的な作品となっている。

 そんな新興写真の流れを受け継いだ一人が金沢出身の写真家・折橋正一さん。金沢で制作を続け、地元の写真界をけん引してきた存在でもある。今回は、金沢や能登、加賀の風景や人々を捉えた作品を中心に紹介する。

 関連イベントとして、4月23日に日本写真史研究で知られる写真史家の金子隆一さんによるレクチャー、5月2日に折橋正一さんのトークイベントを行う。入場無料。

 代表の森仁史さんは「新興写真は、写真に興味がある方にとっては非常に興味深く、参考になるのでは。折橋さんの作品は、金沢市中心部の移り変わりをたどる写真など、地元で長く活動してきた方ならではで、こちらも興味深いと思う」と来館を呼び掛ける。

 開館時間は10時~17時。火曜~木曜休館。入無料。5月29日まで。

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