金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で現在、「トーマス・ルフ展」が開催されている。
【パノラマVR】21世紀美術館で開催中の「トーマス・ルフ展」
ドイツ人写真家、トーマス・ルフさんの作品を初期から現在に至るまで本格的に回顧する展覧会は日本初。東京国立近代美術館に次ぎ、金沢での開催となった。8つの展示室に全18シリーズの約160点を展示。東京展より30点以上を追加し、同館の建築特長を生かした展示空間も見どころとなる。
デュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に学んだ「ベッヒャー派」として1990年代以降、現代の写真表現をリードしてきたルフさん。初期に発表した高さ2メートルにも及ぶ巨大なポートレート作品で注目を集めた以降、建築・都市風景・ヌード・天体などさまざまなテーマを取り上げ、現代人を取り巻く世界の在り方についてユニークなビジョンを提示してきた。
写真のデジタル化やインターネットの普及に伴い、新たな写真表現の可能性を追求し手掛けた「jpeg」「nudes」シリーズでは写真の在り方を問い掛ける。新聞社から入手したプレス写真アーカイブから着想した「press++」を最新シリーズとして展示する。
関連プログラムとして来年1月28日、写真研究家で同志社大学教授の清水穣さんによるレクチャー「トーマス・ルフ:アイデンティティの写真から、写真のアイデンティティへ」を予定する。開催時間は14時~15時30分。定員は80人。
開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。入場料は、一般=1,000円、大学生・65歳以上=800円、小中高生=400円。休場日は毎週月曜(1月2日・9日は開場)、12月29日~1月1日、10日。3月12日まで。