金沢市中心部に「金澤町家情報館」 江戸時代末期の町家を改修、情報発信拠点に

築150年の建物を活用した「金澤町家情報館」

築150年の建物を活用した「金澤町家情報館」

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 金沢市の中心部・竪町商店街近くに11月6日、市が運営する「金澤町家情報館」(金沢市茨木町、TEL 076-208-3231)が開館した。

【パノラマVR】江戸末期の町家を改修した「金澤町家情報館」

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 同館は江戸末期に建築され築150年を超える木造二階建の指定保存建造物「旧川縁(かわべり)米穀店」を2年の歳月をかけて改修。金沢市の職員と運営に協力するNPO法人「金澤町家研究会」のスタッフが常駐する金澤町家についての総合相談窓口を設ける。町家相談窓口の開設は金沢初。町家の保存や売買、相続などに悩むオーナーからの相談と金澤町家に住みたいというユーザーとの流通コーディネート事業も行う。

 金澤町家に関する情報の発信拠点としての役割も担い、劣化した柱の根元部分を修復する「金輪継ぎ」や、耐震補強壁となる「面格子」など、町家の造りや機能は残しつつ伝統的な構法で補修した箇所を自由に見学できる。茶の間の大きな吹き抜けや茶室の床袖壁に透かしとして入るひょうたん図柄など、町家の風情を感じられるようにした一方、水周りのリノベーションや床断熱など居住性にも考慮した。

 町家保全活用室長の石浦裕治さんは「昔からの町家らしさを残しつつ最新設備も取り入れた、バランスの良い再生活用モデル。市内に6000棟近くある町家が年100棟取り壊されている現状もあり、金沢の人にこそ、金澤町家の良さやこんな風に改修できるということを知ってもらいたい」と来館を呼び掛ける。

 町家空間を活用したイベントも予定。第1弾として12月17日に同館の整備工事を設計監理した武藤清秀さんを招いて「金澤町家塾 金澤町家改修ものがたり」が開催される。参加無料。定員は20人。12月12日までに同館へ電話かメール、ファクスで申し込みが必要。

 開館時間は9時~17時30分。水曜休館。入館無料。

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