連合赤軍の極限状態描いた新作公開に合わせ若松監督が来沢

「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」の一場面

「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」の一場面

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 1972年の「あさま山荘事件」に至る連合赤軍メンバーたちの姿を描いた「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」公開に合わせ、若松孝二監督が6月14日、シネモンド(金沢市香林坊2 KOHRINBO109 4階、TEL 076-220-5007)で舞台あいさつとサイン会を行った。

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 あさま山荘事件は、大学生や20代の若者を中心に組織された連合赤軍のメンバーが、長野県の山荘に立てこもり、10日間に渡って機動隊と銃撃戦を繰り広げた事件で、当時、事件の様子はテレビで生中継された。同作品は、若松監督が入念に資料を調べ、当事者の話も元にして、連合赤軍メンバーの立場から同事件に至る経緯を映画化した人間ドラマで、上映時間3時間を超える大作。国を変える「革命戦士」としての志に燃えた若者たちが山中での活動を繰り広げるうちに極限状態に陥っていく姿、「総括」の名のもとで同志をリンチ死に追いやった状況などが、メンバー本人を演じる役者たちのリアルな表情を通して映し出される。東京国際映画祭「日本映画・ある視点」作品賞、第58回ベルリン国際映画祭最優秀アジア映画賞・国際芸術映画評論連盟賞を受賞した話題作。

 上映後、舞台あいさつに登場した若松監督は「なぜ、いい学校の学生で金持ちのお坊ちゃま・お嬢ちゃんたちで、そのまま卒業していればいい就職もできたであろう青年たちが、ああいう形になっていったのか。でたらめな映画によって嘘の歴史が作られることに映画監督として耐えられず、正直に映画として残しておきたかったし、若い人にどうしても分かってほしいという思いもあり、この映画を撮った」と話した。

同監督は来場者の質問にも応じた。リンチ事件については「誰かが勇気を持ってやめようと言ったらやめたかもしれない」、現在の日本社会については「不安やストレスを持たせるような社会を生み出す政治に対して、若さという特権を持つ人たちがもっと怒るべき」と答え、よど号ハイジャック事件のメンバーに同作品を見せたときの反応などについても語った。舞台あいさつ後、オリジナルガイドブックへのサイン会も行われた。

 同館では、作品の公開に合わせ、若松監督の初期作品の特集上映も行う。同作品の上映は6月27日まで。特集上映「若松孝二初期傑作集」は6月21日~7月4日。

和光大学で若松孝二監督・座談会 「実録・連合赤軍」撮影現場映像の上映も(町田経済新聞)「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」-若松監督ら初日舞台あいさつ(新宿経済新聞)若松孝二監督最新作「実録・連合赤軍」を先行上映-シネマスコーレ(名駅経済新聞)「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」ホームページシネモンド

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