金沢の百貨店が軒並み減収-能登半島地震、天候不順による消費低迷で

減収減益となった大和(上)と金沢名鉄丸越百貨店(下)

減収減益となった大和(上)と金沢名鉄丸越百貨店(下)

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 金沢市に本社のあるデパート「大和」(金沢市香林坊1)と金沢名鉄丸越百貨店(武蔵町)がこのほど発表した2008年2月期決算によると、いずれも前期を下回る減収減益となった。昨年3月の能登半島地震や天候不順による客足の鈍化に加えて、原油高を背景にしたガソリン高や食料品高で消費者の購買意欲が落ち込んだためとみられる。

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 大和は、石川県内2店、富山2店、新潟3店を展開する地場大手の老舗で、売上高は882億3,000万円で前期比0.8%減、経常利益は6,100万円で同92.3%減となった。昨年、全面移転オープンした富山店を除く6店で減収を記録、旗艦店の香林坊店は売り上げが前期比7.4%減で、300億円の大台を割り込んだ。さらに、新潟店は大手デパートとの競合から苦戦が続き、記者会見で宮二朗社長は「撤退も含めて検討する必要があるだろう」と述べた。

 金沢名鉄丸越百貨店のめいてつ・エムザでは、売上高198億3,100万円で前期比4.8%減、経常利益6,100万円で同9.0%減となった。隣接する近江町市場再開発工事の本格化により、入店客数が約4%減ったことに加えて、主力の衣料品が婦人服で9.6%、紳士服で9.7%、それぞれ減収となったのが響いた。

 日本百貨店協会が発表した2007年度の全国百貨店売上高は7兆6,826億円で、店舗数調整後の増減率は前年比0.8%減と、2年連続で前年水準を下回った。天候不順による衣料品の不振と、アメリカのサブプライムローン問題の余波による株価下落などで高額商品の売れ行きが落ち込んだためとしている。

 大和、金沢名鉄丸越百貨店とも、相次ぐ物価高による消費マインドの冷え込みや、年金から天引きとなる後期高齢者医療制度もあって、今期も引き続き厳しい経営環境になると警戒しており、「デパ地下ブーム」で比較的好調な食料品部門のフロア改装をテコに、集客力の回復を図っていく方針だ。

初売り・バーゲンに人波-記録的な人出で活気付く金沢の年始商戦(金沢経済新聞)KOHRINBO 109、3階をメンズフロアに-男性ファッション市場活発化(金沢経済新聞)大和めいてつ・エムザ

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