
金沢の百貨店「めいてつ・エムザ」(金沢市武蔵町)1階に11月29日、地元の名産品や工芸品を扱うショッピングゾーン「黒門小路」(TEL 076-260-2195)がオープンした。
来春の北陸新幹線開業を前に、首都圏や県外からの観光とビジネスでの利用客を見込み「近江町市場前の百貨店」という観光的立地を生かした大規模改装を実施した。売り場面積は約387坪。外国人観光客に対応するため、専任スタッフの配置や免税カウンターと外貨両替機能も備える。金沢城の「黒門」にちなんだネーミングの同店エントランスは金沢城をほうふつさせる石垣を門に見立て、店内は金沢の町並みを散策する石畳をイメージした「こたたき」を使うなど「金沢の風情」の演出にこだわった。
売り場は、「北陸の銘菓・名産品」「加賀・能登の伝統工芸」「北陸の地酒と海産物」「金沢の金箔(きんぱく)工芸」と足休めの喫茶店で構成する。金沢を中心に県内から170を超えるブランドの食品と工芸品を集め、老舗店の新作や同店限定オリジナル商品、実演販売を目玉とする。
売り場の約半分を占める「北陸の銘菓・名産品」コーナーには53店舗が出店。根強い人気の老舗銘菓と名産品のほか、同店限定品として「フルーツらくがん」(諸江屋)、「圓(まどか)加賀の紅茶」(森八)など16アイテムを用意する。実演販売では、「YUKIZURI」(LE MUSEE DE H)、「金沢城黒門最中」「金沢あいすくりーむ最中」(越山甘清堂)など、出来立ての味を提供。「金澤づつみ」と銘打つコーナーでは、来店者が約30種の名産品の中から好みの品を選んでオリジナルのパッケージに詰め合わせる試みも。
「加賀・能登の伝統工芸」コーナーには人間国宝9人の作品を常設するほか、日常使いできる工芸品まで幅広いラインアップの約1,000点が並ぶ。金箔メーカー「箔一」も出店する。
「北陸の地酒と海産物」コーナーでは、北陸の珍味や海産物と地酒を扱う。地酒が並ぶ「黒門蔵」では土産物として人気の高い4合瓶を豊富にそろえ、「黒門角打」コーナーで35蔵から日本酒を飲み比べながら日本海の珍味を味わうこともできる。ショッピングの足休め処となる喫茶「茶庵黒門」では、献上加賀棒茶として名高い「丸八製茶場」の茶葉を使った棒茶・抹茶、金箔入りのコーヒーと共にスイーツを用意する。
担当課長の熊田勉さんは「テナントごとに会計をするシステムではないので、自由に買い回りができるのが特徴。実演販売や限定品などを品定めしながら、石川の食と工芸を身近に感じ買い物を楽しんでもらえれば」と来店を呼び掛ける。
営業時間は、10時~19時30分。