前田家家老旧横山家迎賓館「辻家庭園」(金沢市寺町)で4月16日、映像と舞踊がコラボしたイベント「金澤月下艶舞」が開催され、約40人が幻想的な空間を堪能した。
金沢の街並みを一望できる高台にある「辻家庭園」は、その母屋は国登録有形文化財に、広大で優雅な庭園は金沢市の指定文化財に指定されている。所有者の意向により昨年、婚礼や茶寮として利用できる施設として公開された。
この建築と庭園の魅力を最大限に生かした同イベントでは満月の夜空の下、金沢出身の映像クリエイターのモリ川ヒロトーさんと紫派藤間流師範・藤間信乃輔さんの「映像と舞」がコラボし幻想的な空間を創り上げた。
兼六園や浅ノ川など四季折々の金沢の風景から制作したモリ川さんの映像作品が母屋の壁や床、庭に投影された。庭一面に映し出された映像の中では藤間さんが即興で舞踊を披露、白い装束に映像が映りこみ幻想的な舞台を演出した。
同イベントの企画者でもある「ギャラリー点」(入江)の金田みやびさんは「歴史的背景のある名園で、映像と舞踊の『金沢らしい切り口での新しさ』を披露することができた。今後も定期的に続けていきたい」と話す。