12月に公開される、加賀藩の料理人「包丁侍」と、その妻の夫婦愛を描いた時代劇映画「武士の献立」の完成披露記者会見が10月28日、金沢の北國新聞会館(金沢市南町)で開かれ、主演の上戸彩さんと高良健吾さん、朝原雄三監督が映画館への来場を呼び掛けた。
映画は、料理上手の妻・春が、包丁侍の跡取りでありながら、料理が苦手な夫・舟木安信を指南し、一人前に仕立てていくストーリー。安信は実在の人物で、父親と共に書き遺(のこ)した献立書をもとに再現された包丁侍の料理が、劇中、ふんだんに登場する。4月に県内でロケをしており、能登の海など、石川の豊かな自然もスクリーンいっぱいに映し出されている。
春を演じた上戸さんは、清らかな着物姿で熱演した劇中とは打って変わって真っ赤なワンピース姿で会見会場に現れ、「石川の景色、食材、料理もこの映画の魅力。恋愛の話、あったかい家族のお話でもあるし、どんな方も共感できると思う」と話した。
また、撮影中を振り返り、「食べることが大好きなので、(劇中で使用する料理を用意する)『消え物室』にお邪魔してこっそりご飯を食べている時間が幸せでした」とも。
安信役の高良さんは「(映画では)戦いでなく、料理で加賀藩の誇りを取り戻す。食で人とつながる部分がとても魅力的で、安信も春の料理で成長できた」と見どころを語った。朝原監督は「時代劇は時代劇ファンが見るものというのではなくて、普通に生きている普通の人たちに見てもらいたいということで始めた。身近な人間として、安信やお父さんの伝内を見ていただければ」と、作品に込めた思いを明かした。
「武士の献立」は12月14日、全国で公開される。県内の映画館6館では、同7日から先行上映。