北陸の野菜にチョコレートをつけて味わう「チョコベジ」イベントが9月1日、金沢市の近江町いちば館広場（青草町）で開かれ、石川と福井の野菜ソムリエたちが市民や観光客らに地物の新しい楽しみ方を提案した。

振る舞われたチョコレートがけのサツマイモやナシ

　主催は「野菜ソムリエコミュニティ石川」。チョコベジは全国組織の「日本野菜ソムリエ協会」（東京都渋谷区）が菓子メーカーの明治（東京都江東区）と共同で、野菜の新しい食べ方として推奨している。県内での開催は初めて。

　この日は、加賀野菜の一つ、金沢市産のサツマイモ「五郎島金時」と、「金沢そだち」ブランドで売り出されている同市のナシ、福井市を中心に栽培されているミディトマト「越のルビー」、昭和40年代に栽培が途絶え2007年に地元の高校生たちが復活させた同市の伝統野菜「新保ナス」の4種類を用意した。

　砂丘地で育ち、甘味が強い五郎島金時はふかして塩をかけ、爽やかな酸味と甘みがあり、みずみずしいナシはそのまま、糖度が平均で7～8度と高い越のルビーと、丸型と卵型の2種類があり、田楽、煮物に合うという新保ナスはレモンと砂糖でコンポートにしたうえで、溶かしたチョコレートをかけて200人に振る舞った。

　子どもたちはスイーツのような野菜と果物に大喜び。4歳の長女と0歳の長男と共に訪れた金沢市在住の主婦（34）は「トマトにチョコをつける発想はなかった。自然な甘さで、とてもおいしかった」と笑顔を見せた。

　野菜ソムリエコミュニティ石川の小川美樹子会長は「若い人の野菜や果物の摂取量が低下していると懸念している。ホームパーティーなどで取り入れていただけたらうれしい」と話す。