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金沢・兼六園、水のない「霞ケ池」に観光客びっくり-しゅんせつ作業始まる

水が抜かれた霞ケ池

水が抜かれた霞ケ池

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 「日本三名園」の一つに数えられる金沢市の特別名勝「兼六園」で7月22日、園内随一の記念撮影スポット、霞ケ池のしゅんせつ作業が始まった。作業を知らずに訪れた観光客らは水が抜かれ、底があらわになった珍景に驚き、しきりにカメラのシャッターを切っている。

作業・工事の様子

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 霞ケ池は園内最大の池で、約5800平方メートルの広さがある。13代加賀藩主前田斉泰が造らせた蓬莱(ほうらい)島や、ことじ灯籠、虹橋、唐崎松、内橋亭、栄螺山(さざえやま)が内部や周辺に配されており、日頃は周りを回遊しながら季節折々の景観を楽しめる。

 同池をはじめとする園内の池を満たしているのは犀川上流から取り込んだ水で、共に流れ込む土砂が底に堆積し、雨が降ると舞い上がって水を濁らせることから、管理事務所は12~13年に一度、除去作業を行っている。今回は2001年以来となる。

 平均水位約1メートル、総量約5800立方メートルにもなる水を全て排出し、生息するコイやフナ、オイカワ、ウグイなど約320尾の魚を一時的に「引っ越し」させた同池の底は、小石がごろごろ転がり、まるで河川敷のよう。蓬莱島や内橋亭の基礎部分も姿を現し、美観を支える「舞台裏」を目の当たりにできるようになった。

 作業員たちは空になった底に立ち、汗だくになりながら、たまった土砂をかき集めてバキュームカーで運び出している。

 訪れた観光客らは予想外の光景に、「お水のない兼六園」などと驚きの声を上げ、夫や長男夫婦らと共に県内を旅行している千葉県鎌ケ谷市の主婦内山洋子さん(65)は「兼六園は灯籠と池とのマッチがいいが、めったに見られないものを見ることができた」と目を見張っていた。

 県民にとっても、水を排した同池は新鮮に映るようで、記録として残すために来園したという金沢市の男性(75)は「初めて見た。様変わりした姿も風情があっていい」とカメラを構えた。

 しゅんせつ作業は同30日まで。合わせて行われている護岸改修工事の終了後、8月8日から9日にかけて再び水を張り、魚を戻す。

 開園時間は7時~18時。入園料は、大人(18歳以上)=300円、小人(6歳~17歳)=100円。

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