金沢に伝わる文化や風習を学ぶ「金澤たしなみ塾」が7月11日、町家建築の老舗料亭「壽屋(ことぶきや)」(金沢市尾張町)で開講した。
料亭の顧客層が高齢化する中、「若い世代の人々にも、金沢の文化を守る『料亭』を身近な存在に感じてほしい」との趣旨で開講した同塾。女性を対象とするマーケテイング会社「ウーマンスタイル」(鞍月)が企画した。料亭が守り伝えてきた「金沢流もてなし」を市民レベルに広げ、地元に根付く「たしなみ」への理解を得ることで、金沢の文化継承につなげる目的もある。
月1回、6回シリーズの講座では、料亭入門・金沢流冠婚葬祭などのマナー・浴衣の着付け・香道・茶道・芸妓(げいこ)との交流などを予定する。会場となる町家建築の同料亭は築150年超、市の指定保存建造物でもある。講師は同料亭の4代目店主・山縣秀行さんのほか、各分野の専門家を招く。
初回の「料亭入門講座」には20~70代の女性15人が参加し、料亭の歴史やルーツについて学んだ。初めて料亭に入ったという塾生も多く、庭や軸・茶室、花などのしつらえに興味深く見入る姿が見られた。
同社の和多利さんは「熱心な塾生が集まった。生まれが金沢でない人も多く、金沢に根付く文化への関心は高い。今後、塾生の声も反映させた講座内容としていきたい。今期はすでに定員に達し参加できなかった希望者も多いので、次回も計画できれば」と話す。