7月6日のディズニー/ピクサーアニメーション映画「モンスターズ・ユニバーシティ」全国公開に先駆け、6月25日、同作のキャラクターをちりばめた加賀友禅の振り袖が金沢市のファッションビル「香林坊アトリオ」(香林坊1)で披露された。
各地の伝統工芸とのコラボレーションで作品をPRする宣伝企画の一環で、キャラクターをかたどったこけしやガラス製の風鈴を制作した地域もある。
振り袖を手掛けたのは、米・ニューヨークの国連本部で個展を開くなど、国際的に活動している友禅作家の上坂幸栄さん(56)=金沢市北森本町=。同作のイメージカラーである明るい青色を地色にして、友禅の典型的な古典模様である梅と桜、ボタン、藤の花、松と、その中で楽しげに遊ぶ主人公のマイクとサリーらモンスターたちを描いた。
加賀友禅は落ち着いた色調が特徴であるため、葉を青っぽく仕上げるなどして、アニメのカラーと調和させたという。約1カ月の製作期間をかけた。
「加賀の伝統の中にモンスターが一緒に戯れて遊んでいるイメージ。作っていてものすごく楽しかった」と上坂さん。
同席した同作のストーリー・スーパーバイザー、ケルシー・マンさん(38)=米・カリフォルニア州在住=は「鳥肌が立つほど素晴らしい。私たちが4年をかけて製作した映画のキャラクターたちが美しい着物になって登場するとは思わなかった」と絶賛した。
同作は2001年に製作されたアニメーション映画「モンスターズ・インク」の続編で、モンスターのマイクとサリーが大学生活の中で夢に向かって奮闘する姿を描いている。マンさんは「大学時代はこれからの人生をどうするか見いだす時期。子どもたちはもちろん、全ての年代の人に共感してもらえる内容だと思う」と劇場への来場を呼び掛けた。
加賀友禅振り袖は映画公開に合わせ、金沢市か同市近郊の上映館で展示される予定。