金沢21世紀美術館（金沢市広坂、TEL 076-220-2800）で現在、企画展「ス・ドホ パーフェクト・ホーム」が開催されている。

韓国人作家ス・ドホによる企画展「パーフェクト・ホーム」会場風景

　韓国出身で現在、ニューヨークとロンドン、ソウルを拠点に活動するス・ドホさん。「空間をスーツケースに収めて運ぶ」という発想から始まった布で家を作る作品のシリーズが注目され、その繊細で端正な表現が世界的に高い評価を得ている。

　「個人の空間」としての「家」をテーマとする同展は、同館の空間に合わせて制作した作品を通して、来館者が「家」について省察する内容となっている。会場には、光を通す半透明な薄い布で制作された家や階段・廊下・門などの作品が置かれる。

　同館での展覧会実現にあたり、ス・ドホさんは「かねて、金沢21世紀美術館に注目していた。開放的な建築空間の中で作品に光をうまく取り入れられる。独立した展示室を移動する間に感じたものを胸の内に温められる『間』がいい」と話す。

　関連プログラムとして、ス・ドホさんによるアーティスト・トーク（2013年2月8日）のほか、「韓国の生活文化と色」（2月3日、講師＝国立民族博物館文化資源研究センター長 朝倉敏夫さん）や「家のかたちの持つ意味―今和次郎『日本の民家』再訪を終えて」（2月10日、講師＝早稲田大学理工学部教授 中谷礼仁さん）のレクチャー、キュレーターによるギャラリー・ツアー（12月1日・2013年3月9日）などを予定する。

　開場時間は10時～18時（金曜・土曜は20時まで）。休場日は、月曜日（12月24日・1月14日・2月11日は開場）、12月4日～13日・25日、同29日～1月1日・15日、2月12日。入場料は、一般＝1,000円、大学生と65歳以上＝800円、小中高生＝400円。3月17日まで。