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金沢市立病院で「待ち時間を豊かにする椅子」展-患者ら労わる23脚並ぶ

金沢美術工芸大学の学生が患者らへの思いとアイデアを詰め込んで製作した椅子23脚

金沢美術工芸大学の学生が患者らへの思いとアイデアを詰め込んで製作した椅子23脚

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 金沢市立病院(金沢市平和町3)で9月28日、金沢美術工芸大学の学生による「待ち時間を豊かにする椅子II」展が始まり、患者や付き添いの家族、見舞客らへの労わりの思いがこもった23脚が並べられた。

医師や看護師、患者らも参加して行われたプレゼンテーション

 出展したのは、デザイン科製品デザイン専攻の3年生23人。学生たちは看護師と共に患者の身の回りの世話をする一日職場体験を行い、そこで耳にした生の声や気付いたことをもとに、3カ月をかけて製作した。取り組みは、病院内にアートで癒やしの空間と楽しみを創り出し、患者の内面から病気やけがの治癒を後押しする「ホスピタリティ・アート・プロジェクト」の一環。

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 産婦人科で授乳する母親の姿に目を留めたのは男子学生。授乳は長い場合で1時間かかることを知り、子どもを抱きかかえる手が疲れないよう、短いひじ掛けを備えた「Veil chair」を考案した。他人の目を遮れるよう、背もたれは大きくとり、座ったまま子どもをあやせるよう、座面は回転式にしてある。

 女子学生の一人は、小児科の待合室用に丸みを帯びた形の長椅子をデザインした。両端は座面と背もたれを高く、中央部分は低く作ってあり、高い場所に母親、低い場所に子どもが座ると、子どもが自然と母親に寄りかかるような姿勢になるという。

 別の女子学生は、限られた空間の中で生活する入院患者に望みの場所で食事を取ってもらおうと、ひじ掛けの上に取り外し可能な「盆」を載せた、その名も「BON CHAIR」を発表した。バラ色やオレンジ色など3色で、明るい気持ちになってもらいたいとの願いを込めた。

 初日にはプレゼンテーションが行われ、学生が自作について説明した。来賓の山野之義市長や、高田重男院長をはじめとする病院スタッフ、患者、同大教員らが実際に作品に座り、「病院の概念を覆し、派手な色の作品が出てきてうれしい」「意外性があって面白い」などと講評した。

 観覧可能な時間は平日8時30分~17時(最終日は15時まで)。観覧無料。10月12日まで。期間中、人気投票も行われる。

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