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金沢・片町に「学生のまち市民交流館」誕生-大正時代の町家を再生

開館した「金沢学生のまち市民交流館」

開館した「金沢学生のまち市民交流館」

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 金沢市の繁華街に9月29日、大正時代に建てられた町家を改修した「金沢学生のまち市民交流館」(金沢市片町2、TEL076-255-0162)が誕生した。同日には記念式典が行われ、市や大学などの高等教育機関、近隣町会・商店街の関係者らが開館を祝った。

開館した「金沢学生のまち市民交流館」

 まちなかに学生を呼び込み、にぎわい創出に役立てると共に、学生たちには地域の歴史と文化を感じられる場所で仲間や市民と過ごし、刺激にしてもらいたいと、市が設置した。

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 同館は約1460平方メートルの敷地に建つ「学生の家」と「交流ホール」の2つの建物で構成する。町家を改修して利用したのは、このうちの「学生の家」。前身は、金沢市郊外の大地主、故・佐野久太郎氏の邸宅で、1916(大正5)年に建てられた。木造瓦ぶき2階建て、切り妻屋根の「妻」面を正面玄関側に向けた「アズマダチ」の家屋で、表門と築地塀(ついじべい)を構え、横に2階建ての土蔵を置いた豪壮な外観が特徴。市が保存建造物に指定している。

 延べ床面積は約600平方メートル。主屋1階には12.5畳の和室と33畳のサロン、事務室、2階には「一ノ間」から「四ノ間」までの和室4部屋と資料室などがある。広縁の桁(けた)に丸太が使われていたり、窓に円形の曇りガラスが入れられていたりと各所に趣向が凝らされており、「建築の面から言うと、見て回るだけでも教材として面白い」(平木清志金沢市歴史都市推進室長)という。

 一方の交流ホールは、片町にあった旧日本料理店「かわ新」から寄付を受けた大広間の格(ごう)天井や杉の変木の床柱、かもいなどの部材を再利用して、新築された。鉄骨造瓦ぶき平屋建てで、延べ床面積は約300平方メートル。最大130人を収容できる81畳の畳敷きのホールとスタッフルームを備える。

 高等教育機関の授業・ゼミ、学生団体、まちづくり市民団体、町会、婦人会などの会議・活動に使われることを想定し、これらの団体の利用は無料。学生の家1階の和室とサロン、敷地内の交流広場約130平方メートルについては、誰でも自由に利用できる。学生と市民をつなぐコーディネーターも常駐する。総事業費は約4億7,700万円。

 この日の式典では、山野之義市長が「学生さん、そしてまちにかかわっている多くの市民と、この地から金沢を元気にしていきたい」とあいさつした。

 開館時間は10時~22時。月曜休館(祝日の場合はその直後の平日が休みとなる)。現在、「美術系大学学生作品展」が開催され、金沢学院大学と金沢美術工芸大学の学生の絵画や工芸作品などが展示されている。入場無料。10月7日まで。

後援申請20141009