漆器の「扱いにくい」イメージを一新-輪島の桐本さんが金沢で個展

独自の蒔地技法が施された器

独自の蒔地技法が施された器

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 輪島で漆器のデザインやプロデュースを手がける桐本泰一さんの個展「『いつものうるし』と『木地づくり』」が2月1日より、G-WING’Sギャラリー(金沢市松寺町子、TEL 076-238-0788)で開催されている。

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 桐本さんは漆器木地の製作を手がける桐本木工所(輪島市杉平町)の代表補佐で、輪島塗の職人たちとともに現代の暮らしに合った漆の器やインテリア小物、家具、建築内装材などの創作活動を行っている。2004年に三越日本橋本店に新ブランド旗艦店「輪島キリモト」を出店し、2007年にはルイ・ヴィトンと輪島塗のコラボレーションによる小物ケースの製作指揮を務めたほか、プロデュース、デザイン、ディレクションを行った漆の皿や名刺入れが2006年度、2007年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、木と漆の新たな可能性を追求して話題となっている。

 今回の個展では、輪島塗を代表する本堅地技法、蒔地技法、拭き漆技法、木地呂技法をそれぞれ施した作品と木製品が約100種類展示されている。なかでも、桐本さんが発想し、輪島の塗師と一緒に開発した独自の蒔地技法は、漆器の表面硬度をガラス繊維質に近いところまで高め、金属のスプーンを使っても傷が付きにくく、「扱いにくい」という輪島塗のイメージを一新し、昨年、「新日本様式100選」に選定された。漆器づくりのために長年落ちつかせた木材料をそのまま生かした木地製品は、家業である漆器木地業ならではの工夫が施されている。

 2月9日17時から、金沢アートイベントカレンダー・イコールの主催で、桐本さんと能美市在住のアーティスト・上出惠悟さんの公開対談「伝統工芸というダイアローグ」が行われる。桐本さんと上出さんは輪島塗と九谷焼というそれぞれの伝統工芸に携わり、家業ではそれぞれ木工所3代目、九谷焼窯6代目。伝統工芸の世界でさまざまな挑戦をする2人が、それぞれの思いを語る。

 営業時間は10時~17時。会期中無休。同展は2月11日まで。

ヴィトンと輪島塗がコラボ-限定200個の小物ケースが人気に輪島キリモトG-WING'Sギャラリー

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