石川県立伝統産業工芸館(金沢市兼六町、TEL 076-262-2020)は1月29日から、国宝や重要文化財の修復作業に参加した表具師や伝統工芸士が金箔(きんぱく)技法や加賀繍(ぬい)を教えるクラフトスクールを開講する。
毎年冬季は来館者が減少することから、普段足を運ぶことが少ない地元市民らを呼び込もうと、初めてクラフトスクールを企画した。これまでも毎週土曜・日曜に実演と簡単な体験の時間を設けてきたが、スクールでは1~2日間をかけて、より本格的な技術を紹介する。
コースは「伝統的日本画の金箔技法」、加賀繍、竹工芸の3種類。「金箔技法」では、国宝や国指定重要文化財などの修復作業に職人の一人として携わった表具師山本幸雄(幸巨)さんが、金びょうぶに用いられる「平押し」や、箔で模様を描く「砂子(すなご)振り」など、基本的な4種類の技を伝授する。
加賀繍の講師は伝統工芸士の長原久美子さんと米山洋子さんで、受講生は小箱と手鏡作りに挑戦する。竹工芸では日本伝統工芸展の入選歴を持つ作家の本江和美さんを講師に迎えて、若菜かごや茶しゃくを作る。
同館の柳井篤子副館長は「市民の皆さんは『伝統工芸はよく知っている』というが、奥深いものだということを知ってもらいたい」と話す。
各コースとも有料で、事前申し込みが必要。詳しい日程や料金、定員などは同館のホームページで確認できる。