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ベトナム絹絵画を日本の技術で修復-金沢21世紀美術館でプロジェクト展

グエン・ファン・チャン 《牛に乗って川を渡る女》(修復後)1967年 彩色、絹
H71.8 x W51.9cm 三谷産業株式会社蔵 © Nguyen Nguyet Tu

グエン・ファン・チャン 《牛に乗って川を渡る女》(修復後)1967年 彩色、絹 H71.8 x W51.9cm 三谷産業株式会社蔵 © Nguyen Nguyet Tu

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 金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)のデザインギャラリーで現在、ベトナム絹絵画家、グエン・ファン・チャンの絵画修復プロジェクト展が開催されている。

ベトナム絹絵画家、グエン・ファン・チャンの絵画修復プロジェクト展の会場

 ベトナムを代表する絹絵画家、グエン・ファン・チャン(1892-1984)が制作した作品を日本の修復技術で救おうという同プロジェクト。修復された絵画を展示するだけでなく、そのプロセスもドキュメンタリーとして映像で紹介し、ベトナムを愛する日本の民間人の力で成し遂げられた偉業を伝える。

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 グエン・ファン・チャンは絹絵のパイオニアとして知られる画家で、1925年にフランス人が設立したインドシナ美術学校の1期生として、西洋の造形技法と東洋の平面的な画法を組み合わせる全く新しい技法を開拓し、「ベトナム近代絹絵」というジャンルを創出したとされている。戦渦の厳しい時代の中、農村に暮らす人々の姿を見守るように描き続けた。

 絹地に水彩で描かれ、何度も画面を洗浄しながら描くというその独特の手法ゆえに、温湿度や光の影響を受けやすく、高温多湿のベトナムでは傷みの進行が懸念されてきた。同展では、グエン・ファン・チャンが家族の元に遺(のこ)された貴重な作品3点を修復された状態で展示する。

 会場には、農作業を終え牛の背に乗って夕日に染まる川を渡る女性の姿を描いた「牛に乗って川を渡る女」、木造船造りの最終段階である薫煙作業の場面を描いた「船を燻(いぶ)す女」、「薪(まき)を取りに行く」が並び、伝統的な労働の姿が絹絵の柔らかい色調で描かれている。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。休場日は、月曜(1月2日・9日は開場)・12月29日~1月1日・1月10日。来年2月12日まで。

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後援申請20141009