全国行脚中の「じてんしゃ図書館」が金沢へ-環境図書を貸し出し、館長講演も

内灘町役場で「来館者」に本の説明をする土居館長

内灘町役場で「来館者」に本の説明をする土居館長

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 環境問題を扱う本との出会いをより多くの人に体験してもらおうと各地を行脚している「じてんしゃ図書館」の土居一洋館長が12月8日より、金沢市近郊を訪れている。石川県への来訪で、渡り歩いた都道県は20を数えた。

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 同館は自転車による移動式図書館。土居館長は、人間社会の高度成長の陰で行われてきた自然破壊を象徴する写真が収められた「百年の愚行」(Think the Earthプロジェクト刊)の収蔵を全国の公立図書館に依頼する一方で、行く先々で環境問題関連の書籍を貸し出す活動を続けている。

 土居館長は徳島県出身。学生時代から環境問題関連記事を収集し、1997年1月のナホトカ号重油流出事故の際は重油回収ボランティアで福井県に駆けつけるなど地球環境に対する強い関心を持っていた。社会人として働き始めてから次第に環境問題から遠のいていったが、2004年3月、仕事帰りに手にとった「百年の愚行」が眠っていた環境問題への意識を目覚めさせたという。「21世紀に同じ過ちを犯さないために、自分ができることをしよう」と一念発起し、2005年1月より愛知県にある自宅近くの図書館を手始めに同書の収蔵依頼を開始。図書館への移動中に環境関連図書の貸し出し活動を並行することを思いつき、陳列棚として使える手づくりの水車を自転車に連結させての旅が始まった。

 貸し出し用には小学校高学年以上対象の環境関連書籍約20種類を用意している。貸し出しは1人1冊までで、返却は不要。読み終わったら葉っぱの絵を1枚描いて次の人に渡すシステム。貸し出し用図書は自費で購入し、野営生活を続けている。資金が不足すると、現地で働いて生活費と図書購入費を稼ぐという。これまでに貸し出した本は約900冊で、走行距離は1万キロメートルを超えるという。9日は、内灘町役場で障害者週間に合わせて行われたイベントに招かれ、貸し出しを行った。

 土居館長は「一人ひとりが環境問題を意識するためには、読み返したり、人に渡したりできる本は有効だが、そうした本に巡り合う機会が少ないのが実情。環境問題を扱った本との出会いの機会を少しでも増やしたいとの思いから始めた活動。本を読んだ人には、地球環境のために自分ができることを実践してもらいたい」と話している。

 石川県内では既に能登方面の行脚を終えており、12月半ばまで金沢市内や近郊、加賀方面で活動を行う。石川県での活動終了後は、福井県から南下していく予定。13日19時より常讃寺(石川郡野々市町三納)で土居館長の講演会「じてんしゃ図書館土居一洋さんのお話を聴くつどい」が開かれる。参加費500円。問い合わせは小原さん(TEL 076-240-0413)まで。

じてんしゃ図書館「じてんしゃ図書館」が町田を通過-環境問題関連の書籍普及目指す(町田経済新聞)

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