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シジュウカラ、公園の灰皿で子育て中-職員「タバコすてないで たのむ」と張り紙

灰皿の中で卵からかえったひな

灰皿の中で卵からかえったひな

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 シジュウカラのつがいが辰口丘陵公園(能美市)の灰皿に巣を作り、子育ての真っ最中だ。卵からかえったばかりのひなはしきりに餌をねだり、親鳥は灰皿のすき間から出たり入ったりしながらせっせと虫を運んでいる。

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 巣を作っているのは、シジュウカラのつがい2組。ゴールデンウイーク明けごろ、わずか2.3センチのすき間から灰皿の中に入り、巣を作り始めた。

 1組が生んだ10個の卵は5月31日までにほとんどがふ化し、ひなが小さなくちばしを開けて親に餌をねだっている。もう1組は親鳥が6個の卵を温め、わが子の誕生を今か今かと待っている。

 同園は禁煙のため、日頃は灰皿を置いていないが、毎年この時期はシジュウカラが営巣することから、以前、使っていた2基を特別に設置している。事情を知らずにタバコの吸い殻を捨てようとする来園者もいるため、職員が声を掛けたり、「小鳥がいます タバコすてないで たのむ」「タバコ×」などと記した紙を張り出したりして注意を呼び掛けている。巣に気付いた来園者は驚いた様子ですぐに手を止め、灰皿の中をのぞき込んで鳥の愛らしい姿に目を細めている。

 いしかわ動物園の竹田伸一飼育展示課主任によると、シジュウカラは「たくましく、条件の合う場所があると喜んで巣を作る鳥」。本来は山間部にある大きな広葉樹の枝が折れてできた穴に営巣するが、近年は山の手入れが行き届かず大木が育たない。このため、植木鉢やベンチのパイプの穴、郵便受けなどもよく利用するという。

 ひなは約2週間で巣立つ。同公園の職員は「巣立つころになると本当にかわいい。毎年、先に生まれたひなから順番にいなくなる」と話し、健やかな成長を温かく見守っている。

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