金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で現在、デンマークの若手作家イェッペ・ハインを紹介する企画展「イェッペ・ハイン360°」が開催されている。
7つの展示室と廊下を舞台に、観客との関係を生み出すユーモアあふれるインスタレーション作品など10点を展示する同展は、新たな空間体験を可能にする体験型の展覧会。タイトルの「360°」には、全方位に開かれた同館の建築特徴を生かしながら見る人との関わりを大切にしたいという思いや、鏡や光を使った回転する作品により空間がぐらつくような体験を引き起こしたいという思いが込められている。
イェッペ・ハインは1974年生まれのデンマーク人作家で、現在はベルリンを拠点に制作活動を行う。ロンドンのヘイワードギャラリーやパリのポンピドゥ・センターなど多くの美術館で個展を行うほか、ケルンのバンクハウス・オッペンハイムなど各地で、噴水や変型ベンチ、鏡などを使った常設のパブリックアートも手掛ける。同展が日本の美術館での初個展。
会場には、鏡張りの薄い柱が二重の円状に並び、外側の円と内側の円がゆっくりと反対方向に回転する作品「回転する迷宮」や、ネオン管でできた1.5メートルのルービックキューブ状の立方体が点滅しながら2秒ごとに、ピラミッド型や階段型などの形状に変化する作品「変化するネオン彫刻」など、知覚を刺激して見る人を揺さぶる作品が並ぶ。
開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。休場日は、月曜日・7月19日(7月18日・8月15日は開場)。料金は、一般=1,000円・大学生=800円・小中高生=400円・65歳以上=800円。8月31日まで。